第188話 絶世の美少女
魔狼の森は、魔狼達にまかせて白狼は街に帰る。
リーダー達より先にひとりで駆けて帰える。
神獣進化により、高速な走りが可能となった。
全力なら時速200kmくらいの速度がでるだろう。
行きに馬車で3日かかつた道のりを神獣の姿でたった8時間で走破した。
もうすぐ街に着くという地点で、ミントを連れた土魔導士がいた。
リーダーと狼娘が魔狼の調査に向かったと、ギルドの人に聞いたのだ。
前回、太陽女神教団につかまったことがあったから、心配をして迎えにきたのだ。
「あれ?もしかして・・・狼娘?」
元の姿より倍ほど大きくなり、毛色は純白でたてがみだけがシャンパンゴールドに輝く。
「よくわかるね」
「進化したのか?」
なぜ分かるか不思議でもあるが、神獣姿をみて狼娘だと感じる。
「これが我の本来の姿ぞ」
真っ白に輝く長い毛をたなびかせている。
光を受けて、神々しく感じる。
「そうなのか。まぁ、本来の姿になれてよかったな」
「ありがとう。これからもよろしくな」
「まだ一緒にいてくれるのか。本来の使命を思い出したりしないのか?」
「我とそなたと一緒にいる。それが使命だぞ。知らなかったのか?」
「ああ。そう言っていたね」
最初の出会いの頃から、私の嫁になると言い続けている。
そういえば、狼娘の方がミントより先に出会っていたな。
「しかしな。幼女を嫁にするような特別な趣向はないのだ。ごめんな」
「いつまでも幼女であるとは限るまい」
白狼は、巨大な身体で跳躍して、空中で身体を翻して下降する。
着地したときには、人の姿に変わっている。
そこには、幼女はいなかった。
シャンパンゴールドの長い髪と透き通るような真っ白な肌、青い瞳。
おしとやかな感じの清純派美少女がそこにいた。
メイドアイドル集めをしているから美少女をたくさん見てきた。
それでも、こんなに美しい美少女は見たことがなかった。
絶世の美少女と言えるかな。
1000年にひとりの美少女レベルだ。
「我も人間でいうところの16歳、成人になったのだぞ」
「た、たしかに。大人だな。今は」
どきまぎしてしまった。
幼女の時のおもかげはもちろんある。
しかし、幼女のときが蕾だとすると、今は満開でもっとも美しく咲く花だろう。
「我を嫁にしてくれ。今なら良い問題なかろう」
「ちょっと、まってくれ」
いきなり現われた美しい美少女にプロポーズされてしまった。
どうしたらいいのだろうか。
横にいるミントをみたら、やっぱり。
ヤキモチを焼いている様な顔をしていた。
神獣進化した狼娘は、絶世の美少女に進化した。
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