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第184話 魔狼の森

「久しぶりね」

「このあたりは、私も君も故郷だからな」


魔狼の森の前で、リーダーと狼娘は立っていた。

リーダーが生まれたのも、この近くの村だ。


今回参加したのは、あとふたりの剣士。

どちらもB級冒険者だ。


今回の件を土魔導士は知らない。

状況が分かるまで秘密にしてほしいと、狼娘に頼まれたのだ。


「まずは、魔狼の存在を検知して欲しい」

「わかったわ」


狼娘は巨大狼になる。

五感をフルに活用して森の中を探る。


「入ってすぐ。2頭の魔狼がいるわ」

「まずはその2頭を調べてみるか」


魔狼がいる場所に向かって進む。

森の中を1分ほど進んだ時、ガサガサという大きな音がする。


「来るわ」


リーダーと剣士二人は剣を構える。

木々の間から魔狼が2頭現れる。


「これは、これは、元ボスではないですか」

「なんと魔狼がしゃべった!」


剣士のひとりが驚いて、声を上げる。

狼娘は別だが、普通の魔狼がしゃべるという話を聞いたことがない。


「お前らは、今、誰に率いられている?」

「そんなこと、答える義理などないだろう」


それだけ言うと、2頭の魔狼は森の中心部に向かって走り去って行った。


「どういうことだ?」

「わからないわ。ただ、魔狼達に何かが起きたということだ」

「何かとは?」

「魔狼ではない何かが魔狼のボスになったのだろう」


魔狼に言葉を教えた存在がいる。

当然そいつは、言葉が話せる。

たぶん、人間なのだろう。


「すると、馬車を襲わせているのもそいつの指令か?」

「ああ」


思い出したように昔の話を聞く。


「前に俺の故郷の村を魔狼達が襲ったのは、お前の指令だったのか?」


土魔導士とリーダーと最初に会った時。

リーダーの村を狼娘と仲間の魔狼が襲っていたのだ。


「あれは、元はといえば魔狼の森に村の奴らが侵入したのがきっかけだぞ」

「そんなことがあったのか」


魔狼はテリトリー意識が高い魔物だ。

テリトリーに侵入する敵は排除する。


そんな単純な理由で戦うことはある。

しかし、それ以上に複雑な理由で戦うことはあまりない。


「なぜ、今の魔狼を率いているボスが人を襲うのか。それは人間が理由だと思うが?」

「確かにな。人間であれば、襲う理由はたくさんありうるな」


少しだけ分かったことがある。

しかし、もっとわからないことが増えたともいえる。


何が起きているのか。

まだ、分からないことだらけだ。


狼娘。どうする?

楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。


ブクマと評価もよろしくです。


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