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第181話 市場の人に食べてもらおう

できあがった塩おにぎりを持って市場に出かけてみた。

まずは、米を売っている露天商の人に。


「これがさっき買った白麦で作ったおにぎりです」

「ん?パンみたいなものか?」

「全然違います」


塩おにぎりを取り出して、食べてもらう。

冷めてもうまいんだよ、おにぎりは。


「ほう。食べやすいな、これは」


ぽくっと食べる。

表情が「おやっ」って感じになった。


「うまいじゃないか。本当に白麦かこれは」

「ええ。白麦って、ちゃんと炊くとうまいでしょう」

「・・・その炊き方って教えてくれないか」


そうくると思った。

やったね。


ちゃんと小型魔石コンロと土鍋も用意してある。

用意周到だね。


「じゃ、実演しちゃいましょう」


さきほどのご飯を炊く工程を市場でやってみた。

ご飯を炊いていると、だんだんと人が集まってくる。


「何やっているの?」

「白麦ってのを料理しているらしいよ」


野次馬って、どこの世界にもいるらしい。

特にこの世界はセカセカしていないから、集まりやすい。


「ほら、できた」

「へぇ、そんな感じになるのか」


土鍋のふたを露天商の人の前で開けてみる。

やっぱりうまそうな匂いだよね。


その、あつあつのごはんで塩おにぎりを作る。

あっちっちって言いながら。


「はい。今度は炊き立てだよ」

「ありがとうな」


露天商さん、あつあつを一口たべる。


「うまっ」


炊き立てご飯には、脱帽って感じ。


「うまいんですよ。白麦は」

「ああ、うまいな」


うん。分かってくれればいい。

まぁ、目的は果たしたって気持ちだね。


「その鍋を売ってくれないか」


おっ、自分でも炊いてみるというのか。

いいねぇ。


「いいですよ。だけどひとつじゃ仕方ないんじゃないですか」

「それもそうだな」

「もっと作って持ってきましょうか」

「それなら、その鍋を10個欲しい」

「では、1個大銅貨5枚、全部で銀貨5枚でどうでしょう」

「買った!」


やっぱり、美味しいご飯をもっと知って欲しいと思うじゃない。

だから、利益を考えないで土鍋を売った。


あ、でも。ちょちょいのちょいでただの土で出来ちゃうから原価ゼロか。

十分利益出るね。


その後、野次馬の人達にも、塩おにぎりを作ってプレゼントした。

あまりに一杯いるから、ちょっと小さめだけどね。


あっという間に土鍋のご飯は完売になってしまった。


「これなら、ミントも作れるね」

「うん」


もっと欲しいという野次馬達のために、ミントがご飯を炊くことに。

土鍋をミントに任せて、今日のごはんお披露目会は終わったのだった。


塩おにぎり人気です。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。

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