第18話 オーク殲滅の報酬
「それでは戦果を配分するぞ」
B級パーティのリーダーの人が宣言する。
手前の机には、金貨が沢山おかれている。
「オークが全部で223体いて、回収できたのが196体だ」
おしい。もうちょっとで200体になるとこだった。
「ただし、上級オークのウォーリアが10体、リーダーが3体含まれていたので、その分買い取りがアップされた」
合計の買い取りは、金貨135枚だったみたい。
さらに他にもお宝があって、奪われた剣や宝石類が金貨で115枚。
買い取りの金貨250枚と報酬の金貨180枚を足して430枚。
「この430枚を今回の働きで分けるぞ」
「「「はい」」」
なんか、こういう雰囲気ってあれだな。
歩合制の営業マンの世界。
「今月の売り上げトップは・・・」って社長が言っているやつ。
現金で支給して、売れている奴は札束が立つって感じ。
「今回の最大の功労者は、彼だ」
指さされてしまった。
大したことはしていないんだけどな。
オークの巣攻略のための砦を巣の目の前に作ってみただけ。
戦闘には全然参加しなかった。
「いつもは敵の巣に突入していくのが、今回は向こうから攻めてもらった。オークの巣討伐なのに防御戦という不思議な状況だった」
攻める側は守る側の3倍の戦力が必要なのは、戦いの常識。
特に頑強な砦なら、攻める側はもっと戦力が必要になる。
攻めてくるオークをB級剣士が叩き落す。
数が減ったところで巣に突入したから、ほとんど損害がなかった。
「彼に金貨100枚を報酬として出そうと思う」
「ええー」
私ひとりだけ、驚きの声をあげてしまった。
他の人たちは、うんうんとうなづいている。
金貨100枚もらってもいいらしい。
「もしまた、大規模な討伐があったら参加してほしい」
「わかりました」
そうは答えたけど、実はあまり積極的に参加する気がなくなっていた。
オークとは言え、人型の魔物だ。
それを殲滅するというのは、どうも性格的に合わない。
戦闘的な性格にはなれないなぁ。
やっぱり、平和的な建物を作っていたいな。
それで金貨がもらえたら、うれしいな。
珍しく、戦闘のお話です。あんまり戦闘シーンないけどね。
今書いている新作は、実はレンガ屋さんのお話です。
やたらとレンガ積んでいます。
ただ、土魔法が使えないのでひとつひとつ手で積みます。
↓これ。
【外れスキル『予報』が進化したら神級スキル『言ったら実現』って凶悪すぎるんですけど】
https://ncode.syosetu.com/n7127ex/