表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/311

第178話 銀シャリ

「えっ、まさか」

「どうしたの?」


ミントとふたりで市場を見ていて、ある露店の前で絶句してしまった。

なんと、麻袋に入った米が売っているのだ。


「これ、米だよな」

「ん?そうなの?」


ミントは米を知らないみたいだ。

こんどは露店の人に聞いてみる。


「これは、米ですか?」

「米?違うよ。これは白麦さ」


うーん。そんなはずはない。絶対、米だ。

まだ、この世界で米やご飯というものを見たことがない。

それが今、発見したのだ。


「そうですか・・・では、それってどうやって食べるものなんですか」

「もちろん、このままじゃ食べられない。茹でて食べる。15分も茹でるとやわらかくなるから。茹ったら、ざるにあげてお湯を切って。うまいぞ」


炊くのではなく茹でるというのは気になる。

絶対、米は炊いた方がうまくのだ。


「これください。そうですね、10キロほど」


思ったより安かった。

小麦、大麦、ライ麦とかの麦。

これらは、いつも買っているから相場はだいたい分かる。


麦と米を一キロ単位で比べると半額くらいか。


「なんで、こんなに安いんですか」

「他の麦と違って、今年から売り始めたんだ」


まだ、街の人にはなじみがない食材だから、安くないと売れないのだろう。

でも、私にとってはすごく価値がある食材だ。


食べてみたら熱中しちゃう人がでてくるんじゃないかな。

あっと言う間に麦より高くなると思う。


「では、これで10キロです。まいどありー」


米が手に入った。

そう思うと、元々市場に買いにきたものなど、どうでもよくなってしまった。


はやくご飯が食べたい。

それしか考えられなくなっている。


お茶碗に真っ白なご飯をよそって。

あー、早く食べたい。


ミントと一緒に真っすぐに家に帰る。

家の厨房に米を持ち込んで料理する。


「あ、ご主人様、お帰りなさいませ」

「おい、厨房を借りるぞ」

「はい、わかりました。どうぞ」


最近は料理担当のメイドがいる。

だから、私が厨房を使おう時は事前にメイド達に知らせておく。


「さぁ、米を炊くぞ。これを使って」

「それは何?」

「これはな。土鍋だ」


さっき、土魔法で作っておいた。

羽釜が欲しいところだけど、土魔法じゃつくれない。

だから、土鍋にした。

土鍋ご飯もうまいはず。


「この土鍋で炊いて、このお茶碗で食べるのだ」

「へぇ。2つってことはひとつは私の?」

「ああ、ミントのだよ」

「わーい。お揃いだ」


もうひとつ作ったものがある。

陶器製の箸。

本当は木で作って漆掛けと言いたいところだけど、今は土魔法で作れる物で我慢だ。


お米発見。テンションあがるよね。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ