第17話 実力を試してみた
B級剣士3人は剣を構えた。
「こちらも行きますよ」
私の前に土の壁を軽く1mの高さでほど出す。
「おっ、そんなことできるのか。なら、本気でいくぞ」
土の壁を乗り越えてくる。
ちょうど乗り越える瞬間にすっと消してみる。
「うわっ」
バランスを崩す先頭の剣士さん。
「ふざけやがって。いくぞ」
今度は突進してくる。
こっちは球で対抗だ。
先頭の剣士さんの足の下に球を出して転がす。
足がすべって前にのめりになる。
倒れる瞬間に大きな手を出して身体を支える。
ついでに握って、拘束する。
後ろのふたりが、同時に襲い掛かってきた。
私の足の下の土を移動させ、身体が入るだけの穴をあける。
身体が沈み込んでいく。
ふたりが接近する前に、私の身体は地中に入る。
「おい。どうなっているんだ」
「はい。こっちにいますよ」
いきなり、後ろに現れてびっくりする。
まぁ、そろそろ終わりにしましょうか。
ふたりの剣士の周りに土の壁を高く作る。
これで動けないな。
「おーい。分かった。すごいことは分かった。降参だ」
「じゃ、戻しますよ。剣もしまってくださいね」
「もちろんだ」
やれやれという顔で剣士が並んでいる。
「すごい魔法だな。ひとりでB級戦士3人も対抗するなんて」
「いえいえ。あと10人くらいなら、なんとかなりそうです」
「まぁ、そういうことだとしておこう」
実際に魔法使いと戦ってみて、B級もいやA級レベルのは確実だ。
「土魔法が得意なのか?」
「土魔法だけなんです」
「珍しいな。火の魔法とかは使わないのか?」
「土以外できないんです」
土魔法と聞いて、ちょっとがっかり感がある。
すこし、アピールしておかないと。
「土魔法は便利なことありますよ。例えばほら」
地面をトンと叩く。
にょき、っと塔が伸びていく。
10mくらいになるまで伸ばしてみる。
「なるほど。一瞬で見張りの塔が作れるのか」
「もちろん、防御壁もできます」
どんな使い方があるのか、考えている。
「こんなのもできます」
もう一度、地面をとんと叩くと塔が引っ込んで代わりに人型が出てくる。
全部で13人ぶん。
「囮として使えませんか?」
「ずいぶんと器用だな」
「はい。土を使うなら、いろんなことできます」
土魔法で遊んでいたら、周りにギャラリーが集まってきた。
何をしているのか、興味深そうに見ている。
「今回の依頼はオークの巣の討伐だ。偵察によると200体くらいのオークがいるらしい」
「討伐パーティは何人の予定ですか?」
「8人だ。おまえが参加するなら9人になる」
「報酬はどのくらいになります?」
「オークの巣を壊滅できれば一人頭金貨で20枚だ」
「おおっ。私も同じですか?」
「もちろんだ。あとオーク一体あたり肉を買い取りしてもらえば銀貨5枚になるぞ」
「すると全部買い取りしてもらったら金貨10枚追加ってこと?」
「そうだ」
一回の依頼で金貨30枚は魅力だな。
「参加するか?」
「もちろんです」
今は、SSS土魔法ばかり書いています。
書いていて楽しくて。実はもう、42話まで書き進めてしまった。
毎日4話づつアップ予定。
楽しく読んでくれたら、ブックマークや評価してもらえるとうれしいです。