第167話 湯ンデレラ城のステージリハ
「やったぁ、完成した」
女湯だけ先に完成していた湯ンデレラ城が男湯、共有スペースも含めて完成した。
『湯ンデレラ城がいよいよオープンします』
そんなタイトルな瓦版が私の家にも届く。
オープンの時には、イベントが用意されていて、いろんな人がステージで芸を披露する。
ミント達の出番だ。
街の有力者や貴族はじめ多くの人を招いて行うオープンイベントは、ミント達の巫女メイドアイドルも公演依頼が来ている。
イベントでショーを見せるひとグループとして、湯ンデレラ城の共有スペースにあるステージで歌と踊りを披露するのだ。
「いいわね。いくわよ」
本番前の最後のリハーサルが行われている。
リーダーの巫女メイドピンクが張り切っている。
今回の公演は、初めての巫女とメイドの両方の衣装でのステージだ。
見どころは巫女からメイドへの衣装の早変わりだ。
今もその部分を練習中だ。
「もう、巫女でいられないわ」
「ダメよ、そんなこと言わないで」
うーん、劇は学芸会レベルだな。
まぁ、それもかわいいからウケている要因のひとつだけど。
「私のこと、探さないで」
そんなことを叫んで巫女ピンクが舞台の袖に入る。
すぐに、メイドピンクになって再登場。
「あなたは誰?」
あまりに見え見えの演技だけど、いいのさ、それで。
そんな感じで進む、巫女メイドアイドルステージ。
踊りあり、コントあり、歌ありのてんこ盛りのステージだ。
コントじゃなくて演劇よって、巫女メイドアイドル達はいうけどさ。
どう見てもコントだよね。
「私達はメイドの星になるのよ」
いつの間にか巫女がいなくなってメイドに変わって。
一致団結して、メイドアイドルとして生きていく。
そんなストーリーは巫女メイドイエローの脚本だ。
吟遊詩人が読むストーリーの作家になりたがっていた彼女を脚本に抜擢したら、この学芸会的な脚本ができてしまった。
いいのかな、と思うけど、まぁ、批判が多かったらちゃんとした人に頼もうと、ダメ元で巫女メイドステージに使ってみることに。
最後のシーンは壮観だ。
6人の巫女メイドアイドルは、なぜか水着になって観客席の後ろにある温水プールに飛び込むっていうサプライズ企画。
やっぱり、温泉なんだから、水着くらい披露しないとね。
どんな評価になるか、今から楽しみだ。
アイドルのステージやります。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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