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第159話 挑戦状

「お前のでかい犬は預かった。返して欲しければ、巫女と一緒にここに来い」


典型的な誘拐の手紙だ。

しかし、文のタイトルはこう書いてある。


『挑戦状』


その手紙は、家の玄関に撃ち込まれた矢に括り付けてあった。

玄関に刺すつもりだったのだろうが、残念ながらオール石づくりだから刺さらずに落ちていた。


「誘拐か。しかし、あいつが簡単に誘拐などされる訳がない」


見た目は幼女だが、本体は巨大狼だ。

そう簡単に負ける訳がない。


たぶん、計画的に罠を用意したあったのか、多人数で相手しかのか。

そんなところだろう。


「ミント、行くぞ」

「はい」


ふたりは怒りに燃えて、指示された街の外にある草原に向かった。


しばらく走っていると、大きな檻と周りに人が見えてきた。


「あそこね」

「そうらしい」


檻の中には巨大狼がいる。

檻は金属製で土魔法ではコントロールはできない。


「よく来たな」

「要求どおり、ふたりで来た。狼は放してもらおう」

「いいだろう」


檻は開けられ、よたよたと巨大狼は歩いてくる。

いつもの元気はどこに行ったのか。


「いったい何をしたんだ?」

「ちょっとしびれ薬を使っただけだ。そのうち、良くなる」


とりあえずは安心した。

ただ、こいつらは誰なのか?


「何のために、こんなことをしたのか?」

「俺たちのパーティと闘ってもえおうと思ってさ」


6人の男が並ぶ。

装備からすると、剣士が2人で、魔導士が3人、回復士が1人。

魔法中心のパーティだと見える。


「俺たちはS級パーティ『マジックカクテル』だ」


ほう。S級だと。珍しいな。

きっと別の街に所属しているパーティだろう。


「こっちは3人だが、そっちは6人だな」

「ああ。だが、3人の魔導士以外は手を出さないから、同じ人数だろ」

「いや。どうせならフルメンバーで来いや」

「ほう。余裕だな。土魔法士よ。こっちのメンバーを紹介しよう」


ローブに赤ベルトが、火魔法の魔導士。

ロープに青ベルトが、水魔法の魔導士。

ローブに白ベルトが、気魔法の魔導士。


「おや、土魔法士はいないんかいな」

「土魔法なんて役立たない奴はパーティに入れるか」

「そうかな。火魔法なんかより、ずっと役立つんだがな」


まぁ、冒険者パーティなら土魔法は役立たずが常識か。


「おまえは、魔物としか戦ったことないだろう。だから土魔法でなんとかやってこれたんだ」

「そうなのか?」

「魔導士同士の戦いにおいては、攻撃力が物を言う。火が最高で、土が最低だ」


たしかに、攻撃力ではそうだ。

でも、それは同じランクで比較すればの話。


ランク違いだと当てはまらないと言える。


「ちなみに、君たちはS級冒険者パーティだろう。各自もS級魔導士だと理解していいのか?」

「その通り。おじけづいたのか?」

「なら、まずは土魔法の私と、そっちのリーダーの火魔法。闘ってみないか?」

「話を聞いていたのか、お前。それとも単に頭がおかしいのか?火と土じゃ勝負にならないんだよ」


ドヤ顔でそんなこと言われてもな。

まぁ。ちょっと煽ってやろう。


「勝負にならない、か。そうだよな。闘う前から結果、出ているのか。分かった」

「おや、納得してくれたのか」

「その通り。勝負にならないと分かっているなら、お前が土下座すれば許してやらんでもない」

「ふ、ふざけるな。土下座するのは、お前のほうだろ」

「グダグダ言ってないで、掛かってこい」


土以外の魔法使いが登場。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。


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