第155話 凶悪な土魔法の使い方
「なんて土魔法は強力なんだ」
元々は土をコントロールできるだけの魔法だと思っていた。
ところが人の中にも土の魔素は含まれている。
だとしたら、直接、人の中の土魔素をコントロールしたらどうなるのか。
土だと魔素コントロールでレンガが作れる。
人だと魔素コントロールで何ができるのか。
それを試したくて、ここに来ている。
ここは、上級スクールの女子学校前のカフェ。
この世界においては、初級スクールが6才から6年間。
その後、中級、上級と4年づつある。
だから上級スクールは16才から20才までの子が通っている。
「ここの学校の子がかわいい子や綺麗な子が多いって評判なんだよね」
別に誰かに話している訳ではない。
ただの独り言だ。
「ほら、あの子、いいと思わない?」
今入ってきたのは、スカーフの色からすると3学年。
18才くらいかな。
頭がよさそうな美人で、モデル体型をしていて、すらっとしている。
あの子と仲良くなるのに、土魔法が使えるのかという実験だ。
まずは彼女の中にある土魔素をすこし動かしてみる。
集める中心は子宮のあたり。
女は子宮で考えるという言葉があるくらいだから、そこに魔素が集まるとエロくなるんじゃないか。
そんな想定をしての実験だ。
「あ、下を向いちゃった。ちょっと赤くなっている気がする」
もしかしたら、子宮が刺激されてエロくなってしまったのか?
そういえば、昔、エロ小説を読んだことあったな。
リモコンで、女をエロくすることができるって設定だった。
なんか、そのままじゃんって感じ。
だけど、いくらエロくなっても、知らない人のままじゃダメですね。
行動を開始しなきゃ。
「こんにちは」
「こんにちは?」
あ、完璧に警戒されてしまった。
そりゃ、そうだ。全く知らない人にカフェで声かけられたら警戒するって。
「前の学校の方ですか?」
「はい」
「実は妹が、あの学校に通いたいと言っていてね」
「あ、そうなんですね」
もちろん、まったくの嘘だ。
「よかったら、学校のこと、教えてもらえませんか?」
「私でいいんですか?ただの生徒ですよ」
「はい。こんなに綺麗な先輩に話を聞いたっていうと、妹も喜ぶと思うので」
理由になっていないだろ、それ。
ぜったい、断るよな、普通。
だけど・・・魔力を使って魔素の巡りをつよくする。
好感を持っている人にだと、そんな魔素の動きをする。
だから、逆に魔素を動かすと感情もうごくかなと。
「妹さん、後輩になってくれたらうれしいですね」
おおーーー、聞いた。
じゃあ、もっと大胆に。
「あれ、汗かいていますね」
「あっ」
ハンカチで拭くふりをして、首筋に手でふれる。
もちろん、そこに魔力を集めて、巡りを強くする。
「あれ、大丈夫ですか」
そろそろ、平気な顔していられないだろう。
快感を感じるくらいの魔素を巡らしているから。
「これはまずい。休むことができるところに行きましょう」
もう、返事すらちゃんとできない。
抱えるようにして、エッチができるホテルの前に来た。
「ご主人様っ」
えっ、ミント?
やばい、見つかったか。
「ご主人様ってば。起きてくださいよ」
起きるって、えっ?
目を開けたら、メイド服のミントがいた。
あれ、上級スクールの美人さんは…夢?
「今日は伯爵様に会うんだから、ちゃんとしたくしてくださいよ」
「わかったよ」
そうだった。
魔素コントロールは、人に対して行うには肌の接触が必須だった。
あんなこと、できるはずないじゃん。
ちょっと残念だけどね。
禁断の夢落ち、書いちゃいました。ついつい。もうしませんっ。