第154話 ミントと夜のトレーニング
「伯爵様、どんな話だったの?」
「そうだ。ミント、明日、予定は全部キャンセルな」
「ええー、なんで?」
「伯爵様の要望だ」
ミントに今日起こったことをかいつまんで話してみる。
もちろん、美少女とのトレーニングはあっさりとだけど。
「なんですって・・・少女と肌合わせをしたって?」
「あー。トレーニングだって、トレーニング」
「それでも・・・もしかして、これからも・・・」
「あー。これからは、明日の結果によって変わってくるかな」
なんかミント機嫌が悪い。
うーん、やっぱり、そうなるか。
「明日はミントも土魔法のトレーニングだぞ」
「私にもできるのかな。心配」
巫女ならずっとやってきたから自信あるんだろうけど、魔法は全く違うジャンルだ。
魔法使いになるっていうのは、まだ実感を持てないでいる。
「だからさ。今夜はトレーニングをしておこう」
「トレーニングって・・・ええっ」
「ほら、肌合わせするぞ」
まずはキスから。
ただのキスではなく、魔力を巡らしてからの、キス。
「あ。気持ちいい。なにこれ」
「だから、トレーニングだって。トレーニング」
たぶん、最初にひとつになったときも、相当魔力が巡らされていたみたい。
無意識に、だけどね。
今度は意識して、魔力を巡らしてミントをタッチする。
「あ。あっあっ」
どうも、トレーニングであっても、魔力を巡らしていると感じちゃうらしい。
「もう。私もっ」
今度はミントから身体を合わせてきた。
「こうやって魔力を巡らすといいのよね」
なんか、ミント、いいこと気が付いたって顔している。
あ、なんか、龍神様を呼び出すようなときの顔している。
「ふふふ。これで触るとどうなるのかな」
ミントが私の胸に手のひらを当てる。
「うわっ。ああーーーあ」
なんだ、この気持ち良さ。
自然と魔力の巡りもよくなって・・・。
「うふふ、成功。気持ちいいでしょ」
「なんか、巫女能力使っただろう」
「だって、ご主人様だって土魔法の力使ってるわよね」
負けていられるかっ。
魔力を巡らして、身体全体を密着だ。
手と手、腕と腕。胴体と胴体。脚と脚。
「うわあぁぁぁぁぁーーー」
「うわぁっ」
同時に声を発してしまった。
あまりの気持ち良さにふたりとも、あっちの世界で浮遊している気分。
まぁ、そんな感じで。
長い夜のミントとのトレーニングは続いていったのだ。
実はミント、気づいていないだけで、気の魔素を巡らせることができています。
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