表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/311

第147話 伯爵様のお呼び出し

「いいか、失礼がない様に気をつけること」

「・・・・」


いきなり街長に呼び出されて、行ってみると伯爵様との会食がセッティングされていた。


オークションでミント像を落札してくれた方で、このあたりの領主様、だとは聞いているけど、それ以上は知らない。

なんで、また、会食がセットされているのか不明だ。


「とにかく、伯爵様のご依頼だ。会ってお話をする様に」


うーん、貴族様って面倒くさいから、あまり関わらないようにしてきた。

最近は、劇場に貴族様が来ることもあるけど、それはホームでのことだから、こっちのペースでいける。


だけど、会食なんて、完全に貴族様のテリトリー。

アウエイもアウエイで、すごく苦手感が強い。


できたら、さぼりたいな・・・でも、街長いわく、「絶対無理」。


領主様は絶対!って人だからね。

領主様が認めているから、街長でいられるんだろう。


選挙なんてないから、上が決める役人みたいなものだろう、街長さんは。


「何を聞きたいんですか?」

「知らない。だから、余計なことは言わずに失礼のないことだけ気をつけろ」


さっきから、そればかりで、全然情報が入ってこない。

困ったなぁ・・・気持ちの準備が全然できない。


「よく来たな。大魔導士殿」

「お招きありがとうございます。伯爵様」


大魔導士は言い過ぎな気もするけど、訂正すると失礼かなとスルーした。


この場所は伯爵さんの邸宅のひとつで、そこの応接間。

もちろん、広くて豪華な貴族的な造りだ。


「そなたに聞きたいのは、他でもない」


えっと、他がどれで、どれが他でないのかな・・・


「土魔法のことだ」


あ、そっちね。よかった。それなら答えやすいし。


「街の壁づくり農村の開拓、そしてスラム街の再開発。いろいろと聞いておるぞ」

「ははーっ」

「土魔法というのは、そんなに便利なものとは知らなかったぞ」

「はい、あまり知られていないのが、土魔法です」


ほとんど、土魔法を極めた人がいないのが原因だろうなぁ。

火とか水とかの魔法は、冒険者で極めようとする人がいる。

気の魔法も、多少はいる。


だけど、土魔法っていうと地味だから、他の魔法に行ってしまう。


「土魔法は、大地からの魔素を直接制御する魔法です。応用範囲は実は広いんです」

「それは、街長や他の者から聞いてびっくりしているところだ」

「もっとも、私もまだまだ知らないことが多くて、新しい魔法を見つけているところです」

「ほう、それはどんな?」


どれがいいかな。

一番、あれが分かりやすいかな。

秘密じゃないし。


「伯爵様もよくご存じのガラスです。落札していただいた品は、ガラス造形の新しい魔法で作りました」

「おお。あれが新しい魔法の作品であると。熟練した職人の作品に見えるな」

「魔法ですから、限界はありません。イメージがしっかりとできれば実現できるものです」

「そういうものか」


うん、やっぱり、ミント像の話で正解。

分かりやすいし、興味持っているし。


「だが、今、私が知りたいのは農業の事だ」

「あ、はい。村での話は聞いていますか」

「詳しく聞いておるぞ。街長からだけではわかりづらいことも多いから、直接、農作業をしている爺さんにも聞いた」


うわっ、村の農業爺さんも伯爵様に呼び出されたのか。びっくりしたろうなぁ。


「まだ、実験中ということだが、すでにいろいろと成果も出ている様だな」

「はい。農業は詳しくないので勉強しながら、ですが」

「作物と土の魔素の関係。不思議なものだのう」

「はい」


伯爵様、頭がいいな。

ちゃんと問題点を理解している。


「ただし、大きな問題がある」


伯爵様は、どっしりとした声で言い出した。


伯爵は何を言いたいんだろう。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ