第135話 また『愛の天使』に行くことになった
「ご主人様、お願いがあります」
「なんだい?」
メイドアイドル達は私のことをマスターと呼ぶ。
ご主人様と呼ぶのはひとり。
愛の天使のミントだけ。
「メイドさんやアイドルさん。他にもかわいい女性や綺麗な女性が集まってきますね」
「あー、そうだね」
もしかして。最初からいるミントにとって、そういうの不快なのかな。
反対されるとやりづらいな。
「そういう人が増えるのは仕方ないと思っています」
「そうなんだ」
よかった。メンバーの中心のミントが反対だとやりづらくなるからね。
「だけど、ひとつだけお願いがあります」
「なんだい?」
ドキドキ。何を言うんだろう。
「天使関係になるのは、私だけにしてくださいね」
「あ、それね。大丈夫だよ。私の愛の天使はミントだけだから」
なんだ、そんなことか。
ミントがいるから、新たな愛の天使を買いたいとは思わない。
だって、ミント以上なんて、いるとは思えないし。
メイドとか、巫女とか、アイドルとか、愛人とか、恋人とか。
そういうのは、いいのかな。
正直、ほっとした。
「約束ですよ。ご主人様」
約束してしまった。
だけど、今、私は『愛の天使』のお店前にいる。
「ひとりで行けばいいんじゃないですか?」
「何言っちゃってるの?愛の天使においては、先輩じゃないですか」
「先輩と言っても二回しか購入していませんよ、天使は」
「私は初めてなんですよ。付き添いしてくださいよ」
そう、ここにいるのは天使を買いに来たんじゃない。
天使を買いたいという、リーダーの付き添いだ。
「でも、お金持ってきたんですか?妻子持ちだからそんなにお金ないでしょう」
「ふっふっふ。大丈夫さ。妻には知られていない余禄があるからな」
「余禄?」
「君からの収入だよ。斡旋料やらご祝儀やら。最近はそれがたまったから、ここに来たんじゃないか」
そんなに貯まるんだ、そんなことで。
確かに最近は、いろんな人がかかわりだしているから、うごくお金も大きくなっているからな。
そのあたりの調整が抜群にうまいリーダーなら、それなりに貯まるか。
「いらっしゃいませ。愛の天使にようこそ」
相変わらず、さわやかな笑顔なダンディな店員さん。
リーダーは、彼の天使と出会うことはできるのかな。
また、『愛の天使』が出てきた。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
ブクマと評価もよろしくです。