第129話 別荘地の共有建物はこれで決まり
「そういえば、あのあたりって温泉が出るって知ってます?」
「そうなんですか」
実は前に、そのあたりの調査したことがある。
そこだけでなく街の近くは全体のことを知りたくてだいたい調査をした。
その中で、別荘地の山の斜面は一番大きな温泉の水脈が流れていた。
だから、土魔法で本格調査して採掘すれば簡単に温泉を掘り当てることができる。
そのことを考えて、こんな提案をしてみた。
「貴族向けと市民向けの設備は、温泉の公衆浴場ではどうでしよう」
この辺りでは公衆浴場はあまりないが、帝国の直轄の街だと公衆浴場があるのが普通だ。
帝国の市民はみんな公衆浴場が好きだ。
きっと、このまちの人達も好きになってくれると思う。
「街の中だと公衆浴場を開けるほどの土地がありませんよね。だから、ちょっと離れている別荘地だと市民も足を伸ばしてくれるんじゃないかな」
その温泉施設のイメージは、前世でいうとスーパー銭湯の大きいタイプ。
なんとかハワイアンセンターみたいなものが近いかな。
「ただの公衆浴場では地味ですから、建物の外見は別の派手な物にして、中は公衆浴場でいろいろなお風呂がある。そんなのはどうでしょう」
「それ、とっても面白いわね」
「そこに塔もつければ、見張りの条件もクリアできそうですし」
だんだんイメージが出来てきたぞ。
温泉施設の外見は、ズバリ、お城。
塔がそのまま城の塔に使えるし。
「それ、どんなお城になるんでしょう」
「そうですね。冒険者ギルドの10倍くらいあるお城ですね」
「ずごく大きいんですね。そのお城の名前も考えおきましょう」
「もちろん、それは『湯んデレラ城』でしょう」
こっちの世界でもシンデレラの話はみんなが知っている。
ただ、童話ではなく、昔、実際に起きたノンフィクション扱いされている。
魔法が実在する世界なので、魔法が出てくる話はノンフィクション扱いだ。
「湯んデレラ城、いいと思うわ」
おわっ、そんなおやじギャグ通してしまうんですか。
言った本人がびっくりしている。
「温泉が豊富に供給される施設。見た目は城みたいに見える。それが分かるいい名前ね」
そうなのか?ただのオヤジギャグだって言われないかな?
「それ作ってくださりません?」
そんなこと言っても、街長のオッケーはこれから、なんだよね。
話を先に進めてしまっていいのかな。
湯んデレラ城は、出すぎぃランドって案もあったけど、谷間のお姉さんにギャグ通じないのでやめました。笑
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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