第128話 谷間が気になるお姉さん
「街長の代理の者なんですけど」
いきなり、家に訪ねてきたのは私より少し年上のキレイでかわいい感じがする女性。
もうひとつ特徴をあげるとしたら、おっぱいが大きい。
胸の谷間は男の願望、そんなキャッチフレーズをつけてもいいほど、綺麗な谷間を強調した服を着ている。
「実は、協力してほしい案件がありまして」
その女性は街長直轄の部署、街コーディネータが集まる部署に所属している。
街コーディネータ、略して街コーデは街に関わる人たちの要望を吸い上げて
便利で住みやすい街を実現するために、組織を超えて活動する人。
「最近、街の貴族の人たちの間で別荘を持つことが流行っています」
貴族というと、正室とは別の側室。本宅とは別の別荘を持つのがお約束だ。
お金があって時間もある人たちが何を望むかっていうと、新しい女と家。
「その要望に対応するために、近くの山の斜面に別荘地を用意しています」
「谷間ですか・・・」
「えっ、谷間ではなく斜面です」
いけない、いけない。話を聞いていても、どうしても胸の谷間に意識が行ってしまって・・・
「そこで土魔道士さんにお願いがあるんですが」
山の斜面にある別荘地に、付加価値をつけてほしいということ。
何をつくればいいのかって話を一緒に検討していると、だいたいの概要が見えてくる。
まずは、魔物や不審者を発見し、撃退するサポートをする高い塔。
実用性だけでなく、別荘地のシンボルとしての意味も兼ね備える。
次に別荘地の中心的な位置に建物を作り、貴族たちに楽しい何かを提供できる設備。
一般的には、劇場や舞踏館などが考えられる。
最後に、貴族だけでなく、街の市民も使用できる設備。
「最後のは、街長の要望なんですよ。街長は貴族よりも市民の生活向上が好きでして」
お金のある貴族だけでなく、一般市民のことを考えてくれる街長、いいやつじゃないか。
「実はすでに別荘を作った貴族や予定している貴族から資金はいただいていまして。
だけど、貴族のこと、あまり好きでない街長があまり乗り気じゃないんです」
「あれ?あなたは街長の代理でここに来ているんじゃないんですか?」
「あ、バレましたね。実はまだ街長に根回しは終わっていないんです」
すると、街長のゴーが出る前の案件な訳ね。
「土魔導士さんの協力があると一気に実現化が見えてくると思いまして。順番を逆にして会いにきたんです」
この街コーデのお姉さん。胸の谷間だけでなく、行動力もすごくありそう。
協力してあげると、これからいいことあるかもね。
新キャラ登場?
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