第125話 いつの間にか無敵モード
「めんどくさいから殺しちゃっていい?」
「そうだね。殺してから、串焼き食べに行こう」
双子の目がギンッと光る。
再び、手には12本のナイフ。
「「いくよ。死んじゃいなさいっ」」
12本のナイフが心臓を狙って飛んでくる。
回避もせずじっとしている。
ガキン。
ナイフが硬い物にぶつかった音がして跳ね返る。
「なに?なんで刺さらないの?」
「おかしいよ。どうなっているのよ」
本当にどうなっているんだろう。
痛くもかゆくもない。
「見てみる?ここがどうなっているのか?」
「えっ、見せてくれるの?見せてよ」
シャツをめくって、胸をはだける。
筋肉が盛り上がって、すごい状態の胸が出てくる。
「何、それ?魔法以外はダメダメだって、みんな言ってたよ」
「ダメダメなのに、その筋肉はずるくない?」
こいつら、本当にむかつく奴らだな。
ひとつ、お仕置きをしてやらんと。
「さて、問題です。この筋肉もりもりの私がこの拳でふたりを殴ると、どうなるでしょう」
「「ええー、やめてっ」」
やっと、立場認識してくれた様だな。
まぁ、それならちょっとくらいは話を聞いてやってもいいか。
「命乞いはどうした?土下座するのがいいんじゃなかったっけ?」
「土下座は嫌だな。どうしよう」
「素直に謝れば許してくれるっぽくない?いい人らしいし」
おい。何、勝手な相談しているんだよ。
殺されかかって、なんで謝ったら許さないいけないんだよ。
「「ごめんなさい」」
「ずいぶん、素直だな。そんな見せかけの素直さでなんとかなると思う?」
「僕たちは悪くないんです。無理やりやらされたんです」
「なんでもするから許してください」
おいおい。いきなり全面降伏かよ。
どうせ、隙を狙って何かしようと思っているだろう。
「誰に頼まれたか、全部言うなら許さんでもない」
「あー、それ無理。そんなこと言ったら、殺されちゃう」
「そうそう。殺されちゃう」
相変わらず、危機感のないやつらだな。
「じゃあ、この拳に殴られて生き残れるか、やってみるんだね」
「「うわー、やめて」」
本格的に主人公の覚醒内容がみえてきました。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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