第114話 誕生日パーティ開催
「今日は、私の誕生日パーティにきてくれてありがとうございました」
「「「うおーーーー」」」
巨大な会場に男たちの声がこだまする。
結局300人規模になってしまった。
それも大半は男。
これがオタみたいな奴らばかりだと、なんだかなとなるんだけど。
来ている人たちが、貴族、役人、商人、学者、有名冒険者と幅広い。
「これでも、絞ったんですから」
リーダーが大規模になってしまった言い訳を言う。
もっとも、会場は街長がかかわっているので、大きいとこを押さえられたので問題はない。
「だけど、費用は大丈夫なのかい。ずいぶんかかったろ」
「それは、土魔法使いさんのお手伝いでずいぶん稼がせてもらっていますから」
「なんだ、リーダーのポケットマネーかよ」
「はい。費用の相談したら、そんなにしないでいいって言われそうだったから」
「まぁ言うわな」
料理も、飾りつけも、音楽隊も。
とにかく一流な物を使っているのが分かる。
「でも、よく1日でここまで準備できたな」
「いやぁ、ミント様の誕生日パーティだって言ったら、みんな自主的に協力してくれるんです。費用も原価だけなんてことも多いんです」
そんなことが。
「だいたい、ご祝儀がすごいことになっていますよ」
たしかに。
有力者が見栄張っているのは、ご祝儀袋を見ただけで分かる。
そんな袋にせこい金額なんて入れられはいないだろうし。
「いつの間にミントの人気がこんなになっていたんだ?」
「だって、人気絶頂のときに、講演の予定を無くして、村巡りに連れていってしまうから」
「そんなことになっていると知らないし」
「ミントさんの舞を見た人が知り合いに話して、次は絶対見たいってなっているのに、お預けですよ」
確かに。
そっちの気持ちで考えたら、ヒートアップしそう。
欲しいのに手に入らないプレミア効果だね。
まぁ、その道のプロが連携して、運営しているからパーティは滞りなく進んでいく。
プレゼントを受け取るイベントもあったんだけど、代表に選ばれた10名はでっかい箱を持ってきていて、
すごい高価なプレゼントを渡している。
うーん、なんだかミントが遠い存在になってしまって寂しい気がする。
これは地下アイドルがメジャーデビューして人気が出た元ファンの気持ちか。
いやいや、ファンじゃないぞ。
私はミントのご主人様だ。
といいつつ。
大騒ぎのパーティを複雑な気持ちで後ろの席で眺めていた。
大騒ぎになってきた。人気が出てくると、寂しくなるんだよね。
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