表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/311

第109話 据え膳はおいしくいただきましょう

「あとはよろしく頼む」


リーダーに軽く状況を伝えておいた。

据え膳があってさ、って感じで。


「それは、それは。モテる男はつらいねぇ」

「そんなことはないんだけどね」

「まぁまぁ。他のメンバーのことは俺がなんとかするから、楽しんでおいで」


やっぱり、こういうときは男同士だな。

話が早くてありがたい。


「こっちよ」


村娘が手招きする。

ちょっと他の家から離れたところにある家だ。


「ここは?」

「恋人たちの家、なの」

「へぇ」

「恋人たちはここで逢瀬を楽しむのよ」


そんな家が用意されているのか。

誰でも使えるのかな。

まぁ、どうでもいいか。

今はこの村娘とふたりきりっていうのがすごい。


「本当に街に行ったら、訪ねていってもいいですか?」

「ああ。どこまで協力できるかはわからないけど、困ったことがあれば言ってほしい」

「うれしいっ」


抱きついてきた。

ふたりでベッドに倒れこむ。


この部屋、恋人たちの部屋というだけあって、ほとんどベッドしかない。

あとは小さなテーブルがひとつで、椅子はない。

ベッドに腰かけてちょっとだけ何か食べたりするのだろう。


「私ね。自分の可能性を信じて街に行きたいの」

「何をしたいんだい」

「まだ、わからないの。何ができるかは」

「でも、ウエイトレスとかなら、引く手あまたになりそうだな」

「あ、それ考えてた。ウエイトレスだと正直、容姿って関係あるんじゃないかなって」


この村娘は、自分の評価、ちゃんとわかっているな。

そして、チャンスは貪欲に手に入れようとしている。


「うん。君はかわいいね。その大きな瞳は吸い込まれそうだ」

「ありがとう。でも、こんなことするの、初めてなのよ」

「えっ、じゃあ・・・」

「あ、エッチは初めてじゃないわ。初めて会った人とって話」


ちょっとがっかりしたような、安心したような。

微妙な気持ちになる。


だけど、こんなかわいい村娘に言い寄られて嫌な気がする男はいないよな。

仮に目的がチャンスをつかむためだったとしても。


この日は、しっかりと据え膳をいただきました。

お代わりもしちゃいました。


とってもおいしかったです。


身体も、気持ちも。やっぱり、素人さんだなぁっていうのも。

セミプロの女性にはお世話になっているけど、ちょっと違うなって。

もちろん、今夜限りの恋人ってことでね。


リゾートラバーじゃないけど、ビレッジラバーかな。

一度だけだから、思い出になるって、あれ。


楽しい思いをして、ぐっすり眠れた。


おかげで朝、すっきりした気持ちで目覚めると、村娘はすでに部屋にはいなかったんだ。


据え膳はおいしいらしいです。はい。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ