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第101話 巫女舞ステージ

「それでは、愛の巫女舞を披露します」


なんか、リーダー、司会うまいじゃないか。

私は観客席の後ろの方で見ていた。


ここは、僕とミントが住んでいる屋敷の一階。

ステージと観客席になっている。


ミントは今、ステージの上で、巫女舞を踊っている。

ドラゴ神殿で踊った龍神の巫女舞が噂を呼んで、ここでもやってほしいというリクエストがあったのだ。


「まさか、神殿でもないし。正式の祀りでもない。わざわざ、ここまで観にくる人なんているのかな?」

「いやさ。お偉いさん方が周りにミントさんの巫女舞がすごいって話しまくっているみたいでさ」

「そんなことあるんだ」


どうも、納得できないでいると、リーダーが妙に頑張って観客集めてお金もちゃんと取るから、巫女舞ステージをやってほしいって頼んできた。

まぁ、全部リーダーが取り仕切ってくれるなら、ミントがうんと言えばいいんじゃないって言った。


「巫女舞はいつでも踊れます」


ミントは言われれば踊るって感じ。

なら、いいかって。


そして、今日。

最初のステージが開催された。


「はい、整理券ない人は入れません。次のステージの整理券ならあります」


リーダーは、自分だけでなく、女剣士と他の冒険者3人連れてステージの運営をしている。

観客はリーダーが声をかけたという50人どころか、もう観客席300人分を超える人が集まっている。


「うわっ、人気だな。ミントの巫女舞」


老若男女、いろんな人が来ている。

どうも、貴族のお忍びと思える人すらいる。


「それにしても、若い女性も多いな」

「実は、女学校でもチケット売ってさ」

「そんなとこにもか」


とにかく、整理券を持った300人だけ中に入れて、それ以外は外に出す。

ステージのある部屋の入口ドアを閉めて、ステージが始まる。


音楽がなく、歌うこともないから、観客ががやがやいう音だけ。

それが、ミントがステージに上がると、ぴたっと止まる。


無音のまま、ミントが巫女舞を舞う。


「この舞は、『愛の巫女舞』です」


司会役のリーダーが説明する。

それ以上は、うるさくなると何も語らず、ミントの踊りを見ている。


この日は全部で4つの巫女舞を舞う。

だいたい1時間くらいだ。


すべての舞が終わったことをリーダーが告げると、拍手喝采が起きる。

アンコールの声があがると、しばらくしてミントが再登場する。


1分ほど舞って、ステージの袖に消える。


「今日の舞はすべて終了しました」


リーダーが大きな声で言うけど、みんな帰ろうとしない。

冒険者も含めて、みんなで追い出しにかかってはじめて帰りだす。


「素晴らしい舞ですな。こんな素晴らしい舞姫をお持ちとはうらやましい限りです」

「ミント様きれいっ。ファンになっちゃいました」


本当に老若男女がミントを褒めて帰っていく。


うーん、なんかミント。すごい人気者になってしまっている気がするんですが。


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