ある雨の日に
「そうだ、ゲーセンにいこう」
これが、私の本日の目覚めの言葉である。
起きてから時間がたち、そう言うのならわからなくもないが、目覚めた瞬間に言ったのだ。
現在の時刻は午前9時。天気は雨。ゲーセン行きたいけど雨だから外にでるのはイヤ。
そう思った瞬間「リラックススイッチ」が、カチッ、と音を立て入った。
「あぁぁー……行きたいよぉー…でも雨だからやだよぉー」
枕を抱きしめベッドの上でゴロゴロする。
そうしている内に、ある考えが浮かんだ。
「そうだ、午後からいこう」
こんなことをいうから親に「このヒッキーめ」などと言われるのだろう。
とりあえず起きあがり、朝御飯を食べるか。
と思った矢先、
ヴァー ヴァー
携帯がなる。
メールだ。母親から送られてきた。
「あんたまだ寝てんの?
とりあえず朝ご飯は袋に入ってるパンを食べておきなさい。昼は冷凍パスタがあるからそれを。ヒッキーになるなよ」
ヒッキーになるなよ、とか。
ゲーセンに行くと決めた時点で違うわ!
メールには「あいよ」と返信しておいた。
午後。
実は朝御飯を食べ終えた後、寝ていたらしく、気づいたときには1時になっていた。
雨は相変わらず降っている。
「…あーいじょーってゆーか、たーだきみがほしー
ぼーくのここーろー いーぬのよおぉー」
好きな曲を歌いながら踊ってみた
元気が出た。
「よぉっし!外出るぞー!!」
何を思ったのか、今の格好…パジャマのまま外に出た。
「……寒い」
私は何をしてるんだ。
着替えよう。そうだ着替えよう。こんなだから寒いんだよ。
バタンと家のドアを閉めて、速攻で着替えた。
そんなこんなで、もう2時になっていた。
ホント私は何やってんだ。
食器などを洗って、家を出る。
そのとき思いついたのは。
「そうだ、あそこいこう」
ついたところは、私の聖地、アニ○イ○。
あえて伏せ字にしてみた。
ゲーセンの近くにあるため、よく寄る。
最近、自分の好きな作品のグッズが減っていて泣きたくなる。ちくしょう。
同人誌も、主食ジャンルのスペースが減っている。
ちくしょう。飢える。
それでも買いたい物はあるわけで。
「3078円になりまーす」
買った。
そして、本日の目当てであるゲーセンへ。
適当に店内を見て回る。
特にほしい物はない。
あるにはあるんだけど、とれそうにない。
あぁ、そういえば、と、ある記憶が頭をよぎり、カウンターへと歩く。
それは券売機だった。
くじのね。
そこに張り付けてあったポスターに、好きな作品の名前が書いてあった。
(ウッヒョオオオオオオオオオオオオオ!!)
心の中で叫んだ。口に出してたらうるさい。
思わず3回分のお金を券売機に入れた。
「すいませーん、このくじお願いしますー」
カウンターにいたおねーさんに、さっき買った3回分のくじ券を渡した。
「では3枚ひいてください」
シュン!ガサガサ!バッ!!←音
そして、ひいたくじをおねーさんに渡した。
「えーと…‥あらー、A賞とH賞2個ですねー」
ほう、A賞か。
え?A賞?
張られていたポスターには、主人公のフィギュアの絵が描いてあった。
呆然としていると、おねーさん明るい声が聞こえた。
「どうぞ~。おめでとうございます~」
袋に入れられたフィギュア達をもって歩く。
……恥ずかしい。
なんせ、箱がでかい。でかいんだ。
つまり、だ。
今は雨が降っている。
………濡れる。
家についた私は、ふやけてしまった箱についていた雨粒を一生懸命ふき取った。