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干し柿篇 【活用方法】の実践

「では、干し柿の此方の使い方をお見せしましょうか」

「其の方が早かろうな」


(随従(かげみ)が手を叩くと突如黒い丸が生じ中からどさりと人を吐き出す)


「其処で、此処に贄を用意しました」


(真珠色の物体で簀巻きにされている成人男性が転がった状態で顔を上げる)

「何しやがる随従(かげみ)ー!!! 俺ぁ公務の真っ最中だったんだぞ!!!(じたばたじたばた)」


「……活きが良いな」

「ええ、私の主様が統治する土地でも有数の猛将ですから(綺麗な微笑み)。……あまり騒ぐと、其の口、縫い付けますよ?(微笑)」


(蒼白になった男がぴたりと口を閉ざす)


「それで、如何する」

「此の方に干し柿を使って術を行ってもらおうかと(干し柿を取り出してみせながら)」

「ぎゃああああああああああああ!!! なんだよ其の規格外!!! ふっざけんなよ! 俺死ぬぞ!? 死ぬぞ!?(涙目)」

「落ち着きなさい、情けない。全く……そういう性格だから今一つ女性の受けが悪いのですよ、貴方は。容姿は精悍に整っているのですから、其の稚気に富んだ性格さえ強制されれば幾らでも奥のなり手はあるでしょうに其れを自分から(以降暫く説教モード)」


(くどくどと次代の生成について説教をされる簀巻き男を可哀そうな物を見る目で見つつ、咳払いする忠勇(おもい))


「……まあ、あちらは置いておこう。

 干し柿が、どれだけの力を有しているのか……。()が幾ら言葉を尽そうが、一概には解り難い物。ましてや此の話を読む(なれ)にとっては此れは単なる嗜好品と聞く。

 其れでは予想もつくまい……(視線をちらりと流す)」


(未だ止まぬ説教に深く息を吐き、忠勇(おもい)が掌中に干し柿を生じさせた)


「さて、此れに術を……(ことば)を流し入れる。

 ―――――――……まえ」

(呟きながら人差し指と中指だけを伸ばし後の指を折り曲げた形の指先で手の中の干し柿に触れ、間髪入れず干し柿を地面に封じる様に掌を地面に叩きつけ、刹那後ろへ飛び退る)


 ―――――――閃光、轟音。


(地面が垂直に土砂を吹上げた)


(土砂は吹き上げる端から霞と消えていく)

(全ての噴出が終わると、地面に火口の様な大穴が口を開けている)


(茫然と其の様子を見る簀巻きの男を呆れた様に眇め見、ふわりと微笑する随従(かげみ))


「……流石ですね」

「此の干し柿が、だ」

「(苦笑)そうでしょうか」


(双方から発せられる静かな威圧感に簀巻きが青い顔で空を見上げている図)


(徐々に三つの影が小さくなっていき、やがてフェードアウト)


(画面一杯に広がるのは、クレーターの様な底の見えない大穴)


(暗い昏い、穴の底が映る。段々とズームアップし、画面が穴の底に焦点を合わせ――――――――――――――そのまま、ブラックアウト)


(真白な毛筆体で、続くの文字が浮かび上がる)


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