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カルペ・ディエム

レビュー執筆日:2020/2/6

●結成20年を超えてなお変化し続けるTHE BACK HORNが見逃せない。


【収録曲】


1.心臓が止まるまでは

2.金輪際

3.鎖

4.フューチャーワールド

5.ソーダ水の泡沫うたかた

6.ペトリコール

7.デスティニー

8.太陽の花

9.I believe

10.果てなき冒険者

11.アンコールを君と


 約4年ぶりと彼らにしては久し振りとなったTHE BACK HORNのオリジナルフルアルバム。今作のリリースの前年に彼らは結成20周年を迎えましたが、それほどのキャリアを重ねてもなお新しい音楽性を追求する姿勢が充分に感じられます。『金輪際』は「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」等といった繰り返しのフレーズが新鮮ですし、『ペトリコール』はわらべ歌のような悲しげなメロディが印象的な楽曲。『デスティニー』はハードな雰囲気で始まったかと思いきや途中からストリングスが入ってきて曲調が明るくなる点が興味深いですし、『I believe』は打ち込みの軽いサウンドと生楽器の重いサウンドの対比によりある種の「意外性」を演出しています。


 もちろん、このバンドならではの特徴もしっかりと残されており、迷走しているような雰囲気は微塵も感じられません。重量感のあるバンドサウンドは健在ですし、それに負けないボーカル・やままさの力強くてはっきりと発音する独特な歌い方もしっかりと活かされています。特に、言葉数が多めな『金輪際』ではそれが大きく表れているのではないでしょうか。また、今作はこれまでのメインソングライターだったギタリストの菅波栄すがなみえいじゅん以外のメンバーが積極的に作詞・作曲を行っていますが、言われなければ分からないほどクオリティにばらつきが無く、「メンバーの誰が作ろうとTHE BACK HORNの曲になる」という点から、そういう意味でも彼ららしさというものを強く感じられます。


 まあ、彼らにとって、アルバムごとに新しい要素を取り入れていくというのは今に始まった話ではありません。今作を「退廃的な雰囲気をまとった初期から20年かけて着実に変化していった結果」と捉えれば、先程の記述と少し矛盾しますが、「キャリアを重ねたからこそ出せたアルバム」と言うことができるでしょう。だとすると、これからも彼らはこちらの期待を良い意味で裏切る楽曲を次々と生み出してくれるでしょう。私はそれが楽しみでなりません。


評価:★★★★★

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