指輪の国
族長さん、今の光景で龍人族の言葉の威力、理解できたご様子です。
「貴国の言葉、ご覧のような威力です。しかし、私共、自国の何処に龍の遺物があるか、全てを把握できておりません・・・」
不用意に発した言葉で、混乱を招く恐れがあるとか。金の騎士、それを族長さんに伝えます。
族長さん、娘さんを呼び金の騎士と何やら話し始めます。ところが、すぐ結論が出たようです。
「ニルツ!」
金の騎士、突然叫びます。でも、指輪に何も起こりません。
族長さんと娘さん、ニッコリ笑います。
「国名は、ニルツに変更だ」
「ニルツの意味は?」
族長の娘さん、私の指輪を指します。指輪の国、だそうです。
「我ら、その指輪の縁で始まった・・・」
「良い名前です」
ルドラさんも、それなら大丈夫と安心した様子。改めて、国王の親書を説明し始めました。
やがて、金の騎士たちと会談を終えたルドラさん、私に向き直ります。
「ラシルさん、落ち着いたらやってもらいたいことがあるの」
「何ですか?」
私、用心しながら尋ねます。
だって、こういう時のお願い、とんでもないことが多かったから・・・。
「ニルツの子供達に、私達の言葉を教えなさい。そしたら、アナタも龍人族の言葉、覚えるでしょ」
ええ、それとてもいい考え! 喜ぶ私に、これお土産といって渡された手書きの本。
「これ、何ですか?」
中を見てびっくり、これ龍人族語の辞書ですね!
「正確には、龍族が使っていた言葉よ」
アルシュは、かつてユルザード大王の庇護の時代を過ごしています。
昔の儀式は、この言葉が必要だったとか。
「まだ、あるのよ。何年か先には、ニルツにも訓練校を作りたいの・・・」
ルドラさん、各国に訓練校を作る野望があるそうです。何だか尊敬しちゃいます。
その後、明日の早朝一緒に出かけると金龍から言われ、早めに寝床に入ります。
「でも、眠れない~!」
二人きりで出かけるなんて、意味もなくドキドキしてしまいます。
でもいつの間に寝たのかまだ暗い中、気が付けば族長の娘さん、起こしに来てくれました。
「ラシル、乗るがいい」
私を乗せた金龍、ふわり飛び立つ夜明け前、広い高原駆け抜けます。一時程経った頃、眼下に見えた蒼い水、そっと近くに降り立ちます。
「ここは何?」
「静かに・・・」
やがて、しらじらと夜明け。荘厳な気配、水を求めて列をなす、無数の動物達。
「すごい!」
「ここは、動物の水場だ」
龍人族、無駄な争い避けるため、動物の水場分けているとか・・・。




