龍人村
ベスタさんのおかげで、問題なく族長さんの家に案内されました。ベスタさん、小声で私に話しかけます。
「彼らの言葉は独特だ。俺も少しは話せるが、大雑把にしかわからない場合もある」
「いいえ、それだけでも助かります」
確かに、村の皆が話す言葉、何を言っているのかさっぱりです。そんな中私達、族長さんでしょうか? 中央に座る方の前に通されます。
ベスタさん、挨拶らしい言葉を述べ、私を紹介してくれているようです。すると族長さん、私に向かって一言、
「マイド!」
「・・・は、初めまして、ラシルと申します」
族長さん、商人の言葉なら、少し話せるのかしら?
その後、族長さんとベスタさん何やら会話を始めます。私は、何を言っているかわからず、ポカンとするだけ。
「おい・・・」
突然、ベスタさん、私に向き直ります。
「かく乱の支援をすれば、何をしてくれるか聞かれている」
「・・・」
何もないのです。ただ、ドゥルチが窮地に陥れば、それがあなた方の利になるのではないかと。
「マジかよ、全く・・・」
ベスタさん、頭を掻きむしり、それでも気を取り直し、族長さんに伝えてくれます。
しかし族長さん、首を横に振り手を払う仕草で、私達に帰れと・・・。
「済まん!」
「いいえ、ここまでして頂けて十分です」
そう言って、帰ろうとしたとき、ふと思い出します。
「お話を聞いて頂いたお礼と言って、族長さんにお渡しください」
私は、グラニスで買った龍の彫り物を取り出します。すると、ざわざわとする一同。族長さん、鋭い言葉で私に何か問いかけます。
「え? これ、グラニスの新春市で買ったの・・・」
ベスタさん、それを伝えると、族長さんの指示、誰かが外へ走ります。
暫くすると、抱えられた包帯姿の若い女性現れます。もしかして、これを売ってくれた女の人? ドゥルチ族の砲撃で怪我をしたのね。しかし、その女性、
「ルニアール、ロンガ、ビエノート・・・」
驚いた表情で、私に何か唱えます。え? 何? 次の瞬間、私の指輪、強い光を放ちます。
「おい、どういうことだ?」
ベスタさん、驚いて私の肩を揺さぶります。
「アンタ、龍族の王なのか?」
「はい?」
次の瞬間、指輪を外してもいないのに背中に龍の気配、立ち上ります。え? ちょっと待って・・・!
「ル、ルニアール、ロンガ、ビエノート!」
族長さん、震える声で唱えます。すると背後の龍、一層強い光を放ちます。
「あっ!」
眩しい光と轟音が響き、誰かが私の前に。
「ラシル、待たせたな!」
いつの間にか、目の前に金の騎士。そして、青い騎士、青い騎士、私の横で跪いていました。




