協力者
こちら、若旦那さんに教えられ、ドゥルチ族と反目する部族の協力者を探す私です。グラニスの東、小さな村を目指します。
「あれかしら?」
湖のほとりにある小さな村、近くにある青い尖塔の寺院が目印と言っていました。そっと村はずれに降り立ちます。
協力者さんのお名前、ベスタさん。
家の裏に、荷車が沢山並べてあるそうです・・・。
「どうやら、ここね」
私は、一軒の家の前に立ち、扉を叩きます。
「誰だ、こんな朝っぱらから?」
中から、機嫌の悪い男の人の声・・・。
「ユーシンさんの紹介で来ました、ラシルと言います」
寝ぼけ眼の男性、扉を少し開けてくれたので紹介状を渡します。
すかさず目を通すベスタさん。
「裏庭で、ちょっと待っていろ!」
暫くすると、すっかり身支度を整え、小さな馬を二頭引き連れやってきます。
「乗れるかい?」
そう言って、一頭の手綱を私に預けます。目的地の村は、この村からさらに東に一日行った場所にあるそうです。
「詳しいことは、道中聞かせてくれ」
そう言って、馬に乗るベスタさん。私もなんとか馬に乗り、起伏の多い道、馬に揺られ東を目指して進み始めました。
「そうか、ドゥルチの奴ら、派手に動いていると思ったらそんな事があったのか・・・」
ベスタさん、私の話を聞いて納得したようです。
「それでアンタ、龍人族の村に行って、何やらかすつもりだい?」
「え? 龍人族?」
「まあ、本当かどうかは知らん。ただ、自分たちの事を、龍族の末裔だと自称しているだけさ」
確か、龍族は滅びた、とスグルさんが言っていました。
「はい、ドゥルチ族がザムへ攻撃する際、後方のかく乱を手伝ってくれないか頼むつもりです」
「なるほど、革命でも起こすつもりかい?」
「いえ、そんなこと・・・」
「はっ! 冗談だよ、それとも、何かい? アンタにそんな後ろ盾でもあるのかい?」
ベスタさん、煙草をふかし呑気そうに馬に揺られています。
「私は、ただ自分の尻拭いをしようと・・・」
「待て!」
ベスタさん、馬から飛び降り、煙草をもみ消し木立の下へ。私もそれに従います。
暫くすると、鳥族でしょうか? 何かが上空を西へと飛んで行きました。
「行ったようだな・・・」
しかし、ここは通常の飛行区域ではないはず、そんなことを呟くベスタさん、
「まあ、悩んでいてもしょうがない。村まではもうしばらくかかる」
再び馬に乗った私達、そこから半日ほど揺られ、目指す龍人村にようやく辿り着きました・・・。




