雷撃
寺院から走り出し、人気のない裏通りを見つけ、龍達を指輪から解き放ちます。
(青龍、任せたわ。赤龍、私を乗せて離れた所から状況を見せて頂戴!)
指輪から上空へ躍り出る青龍。続いて赤龍、私を乗せ青龍に続き飛び立ちます。
上空から見下ろせば、丘の上に陣を張る兵士達。たちこめる煙と発射音。ヒュンヒュン音をたて、爆発物が街に飛来します。その度に鳴り響く、爆発音と悲鳴。
「青龍、あそこ!」
私が指示する間もなく、上空に雷雲が立ち込めます。龍達の姿を見つけ、指さす敵兵。ざわめきが敵陣から聞こえるようです。
次の瞬間、稲光が走ったかと思うと丘の上、飛翔物を発射する物体の上で雷撃が炸裂します。
ドドーン!
さらに、もう一撃・・・。
丘の上、一瞬静かになったかと思うと、大きな爆発音の後、丘の一部が吹き飛びます。
「姐さん、応戦して来ているよ! しっかり掴まって!」
丘の上から龍達に向け発射される何か。赤龍、すかさず炎を吐き焼き尽くすと、巨体をくねらせ丘の上を睨みつけます。
「次で終わらせる!」
再び稲光が走ります。雷撃がさらに数度落ちると、青龍の宣言通り、丘の上からの反撃、ピタリ止みました。
「姐さん、とどめを!」
赤龍、止める間もなく丘の上、舐めるように炎を吐きます。先程の雷撃で、もはやなすすべもない敵陣に容赦ありません。あっと言う間に一面黒焦げに・・・。
ふと眼下の街を見れば、門の上の兵士達。成り行きを見守っていたのか、驚きつつもこちらに拳を上げ歓声が聞こえます。
「もういいわ! 後は、ザムの軍に任せるわよ!」
まだまだ暴れ足りない赤龍を押しとどめ、私達、そのまま黒い雲の中に消えていきます。
ところが、雲の中、ひどい嵐です。雨が当たって顔痛い! ちょっと、青龍、もういいのよ!
(姐さん、そんなすぐに嵐は収まらないです・・・)
ずぶ濡れになりながら、暫く雲の中、赤龍の背にしがみつく私でした・・・。
そのまま、低く垂れこめる雲の中、龍達はどんどん飛び続けます。時が経つにつれ、方角があっているのか気になる私・・・。
(ちょっと、赤龍、あなた達方角わかるの?)
(う~ん、何となく違いがね)
(・・・?)
聞くところによると、方角毎に感じる物が違うそうです。
(今は、姐さんが進んだ方角と反対に向かっているよ)
(そ、そうなの。それなら、大丈夫かしらね・・・)
果たしてその日の夜、私達は無事都ラーヴィの外れ迄辿り着きました・・・。




