解放
赤龍が壊した牢獄の前、私達はお婆様に促され、その場を離れます。
「報告を受けて、飛んで着たらこのザマ。しっかり説明してもらうよ!」
お婆様、同行者さんとニキタと名乗るお孫さんを睨みつけます。
「だから、知らせは送ったじゃないか? この辺りをうろつくこいつらが悪い!」
ニキタさん、不貞腐れ猿王さんと同行者さんに八つ当たり。猿王さん、巻き込まれただけ、と涼しい顔です。
「アンタも、鳥族の聖地から、どうしてここまで来た?」
「青龍が囚われたので、助けに来ただけです」
「どいつもこいつも、勝手なマネしおって!」
真っ赤な顔で、怒りまくるお婆様。
「勝手なマネついでに、一つ聞きたいことがあるのですが」
「ダメだ!」
ニキタさん、すかさず拒否します。
「まだ何も言ってないのに!」
「お前たちは、大人しくここから出て行け、今すぐだ!」
むう~、このわからず屋!
「何か言ったか?」
「まだ他にも、地下遺跡に封じているものがありますよね?」
こいつ、やっぱりここから出すわけにいかぬ! と睨みつけるニキタさん。
「そうですか? でも封じ切れてないですよ。漏れています」
「何? そんなはずはない!」
「ほら、やっぱり!」
ぐっ、低い声を発し、今にも飛び掛かってきそうな気配のニキタさん。
「ちょっと待ちな、どういうことだい?」
お婆様、ニキタさんを制します。
「もし封印してあるものが、黒いものだとしたら・・・」
ガタリと音を立て、ニキタさんが近寄ってきます。
「貴様!」
「私、あの牢で一瞬、何かに囚われそうになりました。そんな報告、他にもあるのでは?」
ぶるぶると震えながらも、私を睨みつけたままのニキタさん、
「私、あの黒いものに、また襲われるのは嫌よ」
「え? それはどういうことですか?」
傍に控えていた頭巾の男、口を挟みます。
「こいつ、兄貴を封印しようとして奴の一人だ!」
赤い騎士、目ざとく見つけ頭巾の男の前に立ちはだかります。
「赤龍、いいのよ。青龍は無事だったでしょ」
そう言って、パルバクの戦場跡近くの街道で、あの黒いものに襲われたことを話します。
「いや、あれは宿主を離れると生きていけないはず」
青い顔をする頭巾の男。
「ニキタさんだったかしら? 貴方、他人事ではないのですよ!」
「・・・」
「どうなんだい?」
お婆様、ニキタさんに問い詰めます。
「これ以上は、軍の機密だ・・・」
ニキタさん、無言で扉を開け出ていくように指示します。結局私達、そのまま兵隊さんの監視付きで街の出口まで連れていかれ、二度と街へ戻らないよう厳命されました。




