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命を継ぐ者(ラシル)の旅-逃亡編  作者: みのりっち
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石牢

「待ってくれ!」

猿王さんの同行者さん、説得します。アンタ、この国に戦いに来た訳ではないのだろ?


「私は、二度同じ事を言わない!」

「姐さん、話わかる~!」

赤龍、石牢の中で龍に転じようとしますが、うまくいかないようです。


「なるほど、牢にも仕掛けがあるのか? でも、これぐらいじゃ、止められないよ」

姐さん、外に出てください、と赤龍が扉の方へ促します。外には、騒ぎを聞きつけたザムの兵士達。


「姐さん、助かった! 面倒かけて済まない!」

今度は、青い騎士、するりと指輪から出てきて槍を構えます。


「赤龍、焼くのは半分だ。俺達が、いかにしてザムを退けたか見せてやる!」

そう言って、兵士達を威嚇する青い騎士。


その間にも、ミシミシミシ! 石牢が悲鳴を上げ、やがて、ビキッ! 大きな亀裂が走ります。

牢の中、真っ先に逃げ出したのは頭巾を被った男達。ザムの兵士達、それに続きます。


「兄ちゃん、アンタも外に出たほうが良いと思うけど?」

「待て!」

ニキタさん、赤龍に促され、(あわ)てて牢を飛び出します。その時です、


「この馬鹿者共!」

大音声を上げ、お婆様一行、兵士達を蹴散らし、牢の前までやってきます


「これは一体どういうことだい! アンタ、その龍を止めとくれ!」

私に怒鳴りつけるお婆様。


「大人しく解放してくれそうにないから、実力行使に出たまでです。文句ならこの人に!」

そう言って、私は、男を指さします。


「本当かい?」

お婆様、猿王さんの同行者さんを(にら)みつけると、しぶしぶといった表情で(うなず)きます。


「婆、引っ込んでいろ!」

「御祖母様と呼べ、っていつも言っているだろ!」


突然、手に持っていた杖で、男の人を殴ります。 え? その瞬間、バキバキバキ! 音をたてて石牢が崩れ落ちます。


「危ない!」


崩れ落ちる天井、瓦礫の中から、にゅうっと首だけ突き出す赤龍!


「赤龍、ちょっと待って!」

あなたの返事次第です、そう言って、うぬ~と男を(にら)みつけます!


「早く返事しないか!」

再び、杖で男の頭を殴るお婆様。


「お前、この街をパルバクの二の舞にしたいのかい? あの髭将軍がどうなったか知っているだろ!」

「・・・」


「降格・・・」

「婆、そんな事、今言わなくてもいいだろ! 分ったよ、大人しく解放してやるよ」

流石に、石牢が瓦礫になったのを見て、そう言わざるを得ません。


「赤龍、聞いたでしょ、元に戻りなさない!」

・・・チッ、この根性なし!

男にこっそり悪態をつくと、瓦礫の中から赤い騎士が現れました。



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