龍の封印
一方こちら、昨日街はずれで猿王と同行者さんに合流した青龍、巡回中の兵士に見つかり、街の中へ連れて行かれ、問答無用で石壁の牢に囚われてしまいます。
翌日、牢の中、三人の前に姿を現したニキタさん、後ろには頭巾を被った四人の男達。
「なんだ、もう戻ってきたのか?」
ニキタさん、猿王と同行者さんに呆れ顔で声を掛けます。
「いや、聞いてくれ!」
その言葉に耳を貸さないニキタさん、青い騎士に向かって尋ねました。
「パルバクの戦場で、我らを退けた青い騎士だな?」
「ああ、いかにも」
「悪いが、封じさせてもらう。おい、やれ!」
頭巾を被った男達、石牢の中で青い騎士を取り囲み、呪文を唱え文様を描きます。
「面白い、お前達如きに俺が封じられるかな?」
そう言うと、青い騎士、声を上げて呪文を唱え続ける男達を睨み続けます。どのくらい時が経ったのか、青い騎士の姿、薄っすらと透けてきました。
「なんてことを・・・」
その様子に驚く、猿王の同行者さん、ニキタさんに食って掛かります。
「この人も、お婆様から国内の行動を許されている!」
ニキタさん、その言葉を無視し、後は任せたと、牢の扉を開けて出ようとした瞬間、
「赤龍、今よ!」
突然、牢の中で女の叫び声。現れた女の背後には、巨大な龍。さらに、赤い騎士、指輪から躍り出て、頭巾を被った男達を一撃で仕留めていきます。
「な・・・」
ニキタさん、驚きの目で見るその女性、指輪を手にこちらを睨みつけます。
「この子、返してもらいます」
そう言うと、青い騎士の左目に指輪を押し当てます。青い騎士、するりと指輪の中に消えて行きました・・・。
「だ、誰だ、お前?」
ニキタさん、そう言いながら、牢の扉を閉めようとした瞬間、
「おっと!」
赤い騎士、ニキタさんを牢の中に引きずり込むと、剣を抜いて首元に突きつけます。
「姐さん、こいつどうします?」
赤い騎士に聞かれた私、静かに答えます。
「私の名は、ラシル。私達を解放しなさい。そしたら、何もしないわ・・・」
「・・・」
ニキタさん、冷静に考えます。この女、何処から現れた? そして、背後の龍。 まさか、龍使い? ということは、こいつ、戦場に現れた赤い龍か・・・。
「誰が、そんなこと信じるか!」
ニキタさん、それでも自分が有利と判断します。
「お前たちは、既に牢の中。俺の代わりはいくらでもいる」
「そう、じゃあいいわ、赤龍、この場所焼き尽くして!」
「姐さん、いいのかい?」
赤龍、途端にそわそわし始めます。
「ええ、やっぱりザムは異国ね。言葉が通じないみたい」
私は、背中が蠢きそうになるのを抑えるため、そっと指輪をはめました。




