指輪の力
スグルさんに案内され、裏山から一時程登った所、目指す洞窟らしきものがありました。
「う~ん、大丈夫かしら?」
洞窟の中を覗き、崩れないか心配するスグルさん。
「大丈夫、ここなら鳥族の結界の外だから。それに、赤龍もいるわ」
「任せとけって、薬師の姉ちゃん!」
赤龍、水路を免れ、ご機嫌で洞窟の中を先導します。すると、突き当りに壁画らしきものが描かれていました。
「すごい、こんなものがあったなんて!」
と驚くスグルさん。
やっぱり思った通り。この向こうに石室に到る道があるはず。
「スグルさん、私ここから封印場所に行きます」
赤龍、指輪の中へするりと入っていきます。
「ラシルさん、最後に一つだけ」
そう言って、私の耳元でささやきます。うん、わかったわ。スグルさんもお元気で。お世話になりました、どうもありがとう!
そう言って、剥がれかけた壁画、龍の目に指輪を押し付けます。
ズルズルズル・・・。
辺りに振動を響かせ、壁画の奥にぽっかりと入り口が現れました。やっぱり!
「赤龍、灯りを点けて」
すると、金の指輪、明るく灯ります。それを頼りに、階段を下へ下へと降りていきます。突き当りの壁、龍の浮彫がありました。
今度は、龍の浮彫の目に指輪を押し付けます。すると、ズルズルズル・・・。
壁の一部がぽっかりと空きました。
薄暗い中に入ると、石室です。でも、青龍の姿が見当たりません。
「ここじゃなかったのかしら? 赤龍、指輪から出られる?」
(姐さん、結界が邪魔で出られないよ)
赤龍の言葉に、一人で石室の中へ。すると、薄っすらと青い騎士、横たわっているのが見えます。
「青龍、起きられる?」 「兄貴!」
反応がなく、触ることもできません。でも、龍の姿じゃないのよね? どういうこと?
「兄貴、封じられないよう、頑張って抵抗しているとか?」
そうね、そうかもしれない。
私は、封印を解くカギを考えます。スグルさん、最後に教えてくれた指輪の力信じます。
「赤龍、ここから出たら貴方が頼りよ! 兵士がいたら、殺さないようにやっつけてね!」
「姐さん、任せとけって! 兄貴をこんな目に合わせた奴、許さねえ」
私は、指輪を外し、供物と共に青い騎士の前に捧げます。背後から巨大な龍の気配。後押しする力、両手の指から溢れます。突き動かされるように描く魔方陣。
(青龍、必ず助ける!)
「古の盟約に従い地に住まう地主神よ、封印に囚われた青龍が居場所、アマルラの地下遺跡まで龍の道を開かれん事、龍巫女が願いとして聞き届け給へ、我が名はラシル・・・」
そして、静かに舞を始めました。




