封印の秘密1
ここは、赤龍が封印された毛布の中です・・・。
「赤龍、起きなさい!」
毛布の中でも、龍の姿で封印されるのね。感心しながら赤龍に声を掛けます。
「ほら、赤龍ってば!」
ぺちぺちとウロコを手で叩いてみます。
「ん~?」
少し反応がありましたが、一向に起きる気配がありません。もう、こんな時に居眠りなんて!
私は、赤龍を起こすことを諦め、自力で仕掛けを探す事にします。
そういえば、最後に金龍とあった時、石室の壁を崩した女の人がいたわ!
あ、でも、今回は毛布だった。
天井を見上げれば、かなりの高さ。毛布の壁は、見た目より重く頑丈で押してもびくともしません。ましてや、私が持ち上げることなど出来ないのです。
(この中に赤龍が納まっているということは、私達、縮んだの? 力も弱くなるのかしら?)
そこで、別の方法を考える事にします。
(以前、石室で見つけた仕掛けと言えば、龍の浮彫かしら・・・?)
それ程広くない毛布の中、くまなく調べますが浮彫らしきもの、見当たりません。
(あとは、赤龍が眠っている場所しかないけど・・・)
再び、赤龍を見上げます。何に巻き付いているのかしら? 石の柱・・・?
「ダメだわ~!」
流石に疲れ、赤龍にもたれて座り込みます。ふと思い出すのは、先ほどのフェイさんとのやり取り。
「フェイさん、今頃どうしてるかしら?」
少し厳しすぎたかしら? でもあんなことがあった後で、背中を預けて空を飛ぶのはちょっと無理。
(ん・・・?)
今、何か閃きかけました・・・。
えっと、さっき思ったのは何かしら? フェイさん? あんなこと? 背中?
いいえ、違います。
「え? 飛ぶ? 空を飛ぶ・・・?」
私は、石室の中を見上げます。この中を飛ぶ? 赤龍ならともかく、私は飛べない・・・。
「う~ん、せっかく何か思いつきそうだったのに・・・」
また振り出しに戻ります。
(ん・・・?)
振り出し?
そうよ! 以前、石室から外に出た時、何故か時が経っていなかった・・・。
ふと思い立ち、赤龍が巻き付いている場所を離れて眺めます。 想像通りなら、ここが仕掛けです。
赤龍の体、何とかよじ登り、巻き付いている石柱のようなものの上に立ちます。
(ここで、いいはず!)
私は、その上に金の指輪を押し付けます・・・。
「まあ、さすがラシルさん!」
ふと気が付けば、私は部屋の中。毛布から指輪を離すと、スグルさんにそう言って迎えられます。目の前には赤龍に掛けられた毛布、まだ揺れていました・・・。




