表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命を継ぐ者(ラシル)の旅-逃亡編  作者: みのりっち
42/74

双六勝負

軍服の男について行くと、街周辺は兵士が巡回し、入り口は厳重な警戒。しかし、そのまま通されます。その街の名は、アマルラ・・・。


「少し窮屈だが、くつろいでくれ」

そう言って通された兵舎の一室、長椅子に座る様勧められます。どうやら将校級の部屋の様です。


「私は、ザムの北部を統括している、ニキタという」

「カヌマと申す」

ふむ、その名前聞いたことがある、とニキタさん。


「ああ、心配には及ばん。ここでは客人だ」

その言葉を聞いて、ほっとする同行者さん。やがて、お茶が運ばれ、他愛もない話が始まります。


「ところで、カヌマ殿。我らパルバク王国に攻め入り、退けられたことはご存じかな?」

「もちろん」

そう答える猿王さん。同行者さん、背中に冷たい汗が流れ始めます。


「敗因は何だったと思う? 率直な意見を聞きたい」

そう言って、優雅にお茶を飲むニキタさん。


「今回の侵攻、急な話だったのではないか?」

「ほう?」

顔色一つ変えず答える猿王さん。ニキタさん、軽い驚きを覚えます。


「どうしてだ?」

「補給路の隠蔽(いんぺい)が十分でなかった」

「・・・」

猿王さんの答えに、(しばら)く沈黙が流れます・・・。


「ハハハ・・・!」

突然笑い出すニキタさん、同行者さん、汗が噴き出て止まりません。


「なるほど! さすが・・・」

ユミルに留めておくのは惜しい、と(つぶや)きます。その言葉を聞いた同行者さん、もう気を失う寸前です。


「カヌマ殿、一つ勝負をしないか?」

そう言って持ってこさせたのは、双六の盤木。


「そちらが勝てば、この国を出るまで身の安全を保障する。しかし・・・」

負ければ、(しばら)くこの地に留まって助言を貰えぬか? そう言って、優雅にお茶を飲むニキタさん。


「いいだろう」

事もなげに返事をする猿王さん、その言葉を合図に勝負が始まりました。


そして、二人の双六勝負、一進一退の攻防が続きます。しかし、ニキタさん有利でいよいよ最終局面。先にコマを自陣に入れれば、勝利が決まります。


「では、参る。これで勝負がついても悪く思うな」

そう言って賽を振るニキタさん、しかし、出目が振るわず自陣まであと一マス残します。


「むう!」

悔しそうに(うな)りますが、まだ盤面はニキタさん有利。


「では参る」

そう言って賽を振る猿王さん、続けざまにゾロ目を連発。後方から怒涛(どとう)の追い上げで、ニキタさんに賽を振らせません。


「な、何・・・」

呆気にとられるニキタさん。再び猿王さんが振った賽、六のゾロ目でした・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ