課題
鳥族のまとめ役の方、私に微笑んだかと思うと、フェイさんに耳打ちします。目を見開くフェイさん・・・。
(何なの?)
「さあさあ、暫くこちらでお休みください!」
皆、熱に浮かされたような目で私を促します。
「ひぃ・・・」
(こ、怖い! ちょっと、青龍いないの? もう、赤龍どうしたの?)
返事を返さない龍達、急に不安になります。あの子達の気配がないわ。
「どうぞ・・・」
誰かが杯を持ってきます。飲むのを躊躇いますが、皆の視線がそれを許しません。
(もう、助けて・・・)
口をこじ開けるように無理やり飲まされます。すると、次第に気が遠くなります。ああ、やっぱり・・・。
私の方をおずおずと見るとフェイさん、徐に口を開きます。
「ラシル殿、私、用事が出来たので一足先に麓まで戻ります・・・」
(待って、置いて行かないで!)
必死に目で訴えます。でもフェイさん、願いもむなしく、聖山の中腹から飛び立っていきました。
私、それと同時に意識が朦朧として、その場に崩れ落ちてしまいます・・・。
さて、こちら舞台は、ユミル王国のトゥルク訓練校。ミサトちゃんとタマキちゃん、ラシル先生の事はすっかり忘れ、”びょ~ん”をどのように使うか頭を悩ませています。
「車輪に巻き付けても、途中で”だら~ん”ってなるのよね・・・」
「なる~!」
いや、そうじゃなくて、そうならない方法を考えないと! ミサトちゃんの突っ込みに、頭を悩ますタマキちゃん・・・。
「う~」
そこへマリーちゃんも加わり、三人で唸っています・・・。
「わかった! 」
タマキちゃん、何か閃いたようです。
「あのね、燻すの~」
「燻す?」
「肉も燻すと長持ちするよ・・・」
「・・・」
まあ、確かにそうだけど・・・。
「あ、そういえば! 職人さんが、木のお椀を燻していたかもしれない・・・」
「へえ、じゃあ聞いてみる?」
ミサトちゃん、マリーちゃんの意見を聞き、職能の先生を呼んでもらいます。
「ふむ、確かに長持ちさせるために木を燻しますが・・・」
職能の先生、ぺらぺらになった”びょ~ん”の紐をつまみながら何か考えています・・・。
「樹液を乾燥させる事で、水分が飛んで固まるのですな?」
それならば、つなぎ、を考えた方がいいかもしれん、と職能の先生は言います。
「元々生地に弾力があるから、少しずつ混ぜ物加え、強度を上げればどうだろう?」
手探りですが、少しずつ改良方法が見えてきました。やる気が出てきたミタマ商店の面々です・・・。




