表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命を継ぐ者(ラシル)の旅-逃亡編  作者: みのりっち
35/74

神殿

翌朝、凍った道を滑らないようそろそろと進みます。やがて、こんな所に集落があったのか、と思うような場所に数軒の家が見えてきます。


「あれは、神殿で働く人たちの集落です」

フェイさんが教えてくれました。


岩と土で固められた壁、下界とを隔てる小さな楼門をくぐります。神殿は、ここからさらに登った山の中腹にあるのだとか。


私達は、ひとまず集落の広場で休憩を取ることにしました。

お茶を沸かし、暖をとる皆さん。私、不思議に思ったことを聞いてみます。


「あの、鳥族の皆さんは、元々この場所に住んでいたのですか?」

「・・・!」

一瞬の間をおいて、皆、大爆笑です。


「アハハ、こ、こんな事聞かれたのは初めてだよ!」

フェイさんまで笑います。だって、ここは鳥族の聖地でしょ?


「私たちは、元々各地に散らばっていたのさ・・・」

今回のまとめ役らしき人、詳しく教えてくれます。


「こういう姿だから、いろんな国で重宝されてね。あちこちを飛び回っていたのだよ・・・」

その時、ある鳥族の代表がこの場所を見つけ、自分たちの聖地にしないか? と鳥族達の集まりで提案したそうです。


「崇高な気が流れ、聖地にふさわしい。加えてこの高度、他の種族が訪れるには厳しい・・・」

他の鳥族の代表も訪れ、誰も文句を言う者がなかったそうです・


「それ以来、神殿祀るものを置き、我らの聖地として、こうして時々お参りに来るようになった」

今から、数百年ぐらい前の事だそうです。


「では、神殿に行きましょうか?」

皆に促され、雪が残る瓦礫の道を登ります。いよいよ、鳥族の神殿です・・・。



集落を取り囲むような山々の中腹、その神殿はポツンと建てられていました。集落と同じような、岩と漆喰で固められ、小さな扉があります。


突然、朗々と響き渡る祝詞の声。その声を聞くと、不思議と畏まる気分にならざるを得ません。祭祀を行う方の技量の高さがわかります。


中に入ると、洞窟になっているのか意外と奥行きがあります。神殿部分には、木材が意外と使われていました。


その奥にあの声の主、白い着物を着た祭祀を行う鳥族の方、御神体と思しき磨かれた石に向って、朗々と唱えを続けておられます。


そのまま暫く、静かに聞き入ります。やがて、区切りがついたのか、こちらを振り向きにこやかに私達を見渡します。


「ようこそ、鳥族の聖地へ」

一瞬驚いた様子で私をじっと見据え、意味ありげにおっしゃいました・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ