都ラーヴィ2
その夜、私達はラーヴィの街で過ごします。
今日は、年末の最終日だそうです。新年を二回も迎えられるなんて、少し不思議な気分です。
街には、多くの出店が並んでいます。見た事がない食べ物がずらりと並び、いい匂いに思わず足が止まります。行き交う人々で混雑する中、私は御婆様一行に遅れないよう歩きます。
やがてお婆様は、大きな酒楼の前にやってきます。その隣では、賑やかな太鼓や笛の音に合わせ、不思議な仮面をつけて踊る人達、その周りには人だかりができています。
「お婆様、あれは何をしているのですか?」
「ああ、あれかい。年末の邪気払いと福を招くお呪いさ」
やがて、ドンドンドンドンと太鼓が打ち鳴らされ、二本の角を生やした青い面と赤い面をかぶった踊り手、松明と斧を持ち現れます。
そして、人々の傍に近づき、松明を斧で叩き、火の粉を巻き上げるのです。その瞬間、逃げ惑いながらも、周囲から歓声が上がります。
「あ、危ない!」
「ふん、あれも呪いの一種だよ・・・」
何でも、体についた厄を落とすのだとか。人々は、体に浴びた火の粉を払い落しながら、満足そうな顔をしていました・・・。
それにしても、あの赤い面と青い面、龍達の顔に似てないかしら?
(姐さん、あいつら、俺たちとは全く別者だよ!)
(そうなの? だって・・・)
「ほら、さっさっと中に入りな!」
「ひゃ、は、はい・・・」
龍達との会話を打ち切り、お婆様に促され部屋に案内されると、そこに、見たこともない豪華な食事。
「ここは、宿屋も兼ねていてね。ラーヴィにいる間は、ここに泊まっておくれ」
「お世話になりありがとうございます・・・」
それにしても、ラーヴィの街って、兵隊さんだらけかと思っていました。
「ふん、当たり前だ。ここも人の暮らしがある。兵隊は、役割がはっきりしているだけさ」
お婆様、食事を勧めながら話し始めます。
「ところで、鳥族の聖地へは一人供をつけるので、その者といっておくれ。明日から、儂等は忙しい」
お婆様、鳥族の聖地へは、同行しないようです。
「はじめまして・・・」
鳥族の女性、部屋に入って私を見るなり、目を見開き固まった様子。
「どうしたね・・・?」
お婆様、鳥族の女性に、この娘は龍が憑いているから気をつけな、と助言します。
(失礼ね。憑いてなんかいないのに!)
「その金の指輪、外してみるか・・・?」
「あ・・・」
忘れていました。でも、指輪の秘密を何故知っているの・・・?
(それにしても、金龍は憑いているっていうのかしら?)




