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命を継ぐ者(ラシル)の旅-逃亡編  作者: みのりっち
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都ラーヴィ1

波止場の周りを散策して船に戻った私達、修理も程なく終わり改めて出航です。今度は、見送る人もなく静かに波止場を離れます。午後の天気は、朝の荒れ模様が嘘のように穏やかです。


やがて、何艘かの船が視界に入ってきます。私達と同じように、都を目指す船でしょうか? その先には陸地が見えてきました。


船は、順調に進みます。やがて立派な倉庫や商店がびっしり並ぶ街が見えてきました。巨大な船も行き交います。その日の午後、私たちは無事ラーヴィの港に到着しました。


「若旦那さん、乗せていただきありがとうございました」

荷主達、慌ただしく荷下ろしを行う喧騒の中、私は船を降りて御礼をいいます。


すると、荷主の一人が私を見ながら若旦那さんと話を始めます。若旦那さん、うれしそうに顔色を輝かせて、


「ラシルさん、こちらの方が、貴女の荷を買い取りたいそうです!」

「え、本当・・・?」

荒天で他船の到着が不明となり、今なら高値で荷がさばけるとのこと。無事荷物を運べたお礼だそうです。私が、商品を伝えるとその買い主さん、


「軟膏100個と洗い粉100個、合わせてこれでどうでしょう?」

そう言って片手の指を立てます・・・。


「え、そんな高値で・・・?」

「洗い粉は、ザムでも珍しい商品です・・・」

と買い主さん、お金のやり取りは、若旦那さんの商店通して下さい、といいながら笑顔で頷きます。


「ラシルさん、私の店は都大通りの北、タルムという寺院の向かいにあります」

支払日は月末です。それまでに、用事を済ませられますか? と証文を用意する若旦那さん。


「ちょうどええ、最初の神殿はタルム寺院の中だ・・・」

「じゃあ、それまでに鳥族の聖地いきましょう!」

私は、お婆様の言葉にそう答えると、と何故かご立腹の様子。


「あの山まで何日かかると思っとる!」

「飛んでいけば二日もかかりませんよね?」

「・・・」

お婆様、あきれ顔です。


「聖地までの行脚も肝心な事。アンタ、それが、功徳になるのがわからんのか?」

「功徳なら、船に乗るときに積みました。それに、私、信者でもありません!」

「・・・」

お婆様、好きにするがいい、と苦々し気に言い残しその場を去って行きます。


「若旦那さん、月末に伺いますね!」

思いがけず順調に事が運びそう、嬉しい!


若旦那さん、去っていくお婆様と私を見比べ、少し困った顔をしています。


(私、商品が全て売れて、少し浮かれているのかしら・・・?)


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