~エピローグ~ 第0話 少年が人を助ける理由
少年は思った。『勇者とは何故争いを起こすのか』
少年は思った。『何故国は勇者に金品を渡すのか』
少年は思った………
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少年は生死をさまよっていた、住んでいた村が山賊に襲われていたのだ。
いや、山賊は去っていった。ただ燃やされてしまった。
親も兄弟も親戚も友達も死んでしまったのかもしれない、今となっては少年に確認する方法はない。
そこに偶然通りかかっていたのか【人】ではない誰かが少年に近づいた。
「おい坊や!生きてるか!?クソッ、何がどうなってるんだ……
少年は答えようとした、でも答えられなかった。
「息はしてる…か。置いて行くのは………
少年は拾われた。友人を置いて。
少年は救われた。家族を置いて。
少年は3年の時を経てほぼ元の状態にまで戻ることができた。
体の傷は魔法ですぐに直せたが【人】ではない者【魔人】の言語を理解するのに時間がかかってしまった
まして、心の傷が癒えることはないのだ…
少年は決めた。『自分と同じ運命をたどる人を出させない』と。
少年は決めた。『この世界の全ての悪を消し去るのだ』と。
その意志が将来、少年を苦しめるとはしらずに。