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貧乏孤児院転生 −仲間と共にこの世界を駆け抜けろ−  作者: 神無月
第一章 Paradise Lost
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第02話 Hello New World


「ルークくん、ルークくん、本当に大丈夫?」


「あ、うん、大丈夫、だと思う・・・」


何がどうなって大丈夫なのか聞かれているのかもよく分からないが、大丈夫かと聞かれると大丈夫だと言ってしまう日本人あるあるで、大丈夫と答えてしまったのだが、今の俺は実際の所どうなっているのだろう。


色々と分からないことだらけだからとりあえず周りを見渡す。


まず、目の前には可愛らしい少女がいる。

9~10歳ほどの女の子を少女と言うのか幼女というのかは分からないが、とにかく可愛らしいのは確かだ。

たぶん俺が小学校に通っていた時なら惚れていた可能性がかなり高い。


ストレートの栗色の髪を肩ほどより少し伸ばしており、髪のキューティクルの成す天使の輪がきれいに見える。


顔立ちも整っており、茶色の大きな瞳がこちらをじっと見ている。


そして服の感じを一言で表すと、ハイジ、そんな感じである。

いや、ハイジだと少し簡素すぎるイメージになるので、不思議の国のアリスくらいだろうか。

袖の膨らんだ白いシャツ?ブラウス?のような服の上から濃い青色のノースリーブのワンピースのような物を着ている。

と言う表現で正しいのだろうか。


こちとら18年間男子をやってきただけなのだ。

はっきり言って女の子の服装についてはさっぱりなので、どういう構造になっているかなど一目見ただけでは全く分からない。


じゃあ何が分かるのかということであたりの様子を見回せば、そこはいかにも中世ヨーロッパの田舎町、いや田舎の村といった感じだ。


この村の住居と思わしき建物の隙間から遠くまで広がる小麦畑が見える。


少し離れた場所には風車のような建物もある。


緑色の葉を青々と茂らせている野菜用の畑も見える。

少し離れているが村の外れの丘の上には教会のような建物も見える。


まあ丘というか森の手前と言ってもいいかもしれないほどには、教会の後ろには鬱蒼とした木々が立ち並んでいる。


そして俺がいる場所と言えば、そんな街の中心付近にある広場のような場所だった。




そんな風にキョロキョロあたりを見回していた俺を不審に思ったのか、目の前の栗色髪の美少女、アルマ?が見つめてきた。


「ねえ、ルークくん本当に大丈夫?」


「うん、大丈夫は大丈夫なんだけど、なにがあったんだっけ?」


「覚えてない?ルークくんと私は今日の水汲み当番だったから、この井戸まで水汲みに来たんだよ」


そう言いながらアルマに指差された先、座り込む俺の真横には石造りの丸井戸があった。


「それでルークくんとここまできたんだけど、ルークくん今日は試しに一人で井戸の水を汲むって言って、井戸の底に水汲み桶を投げ入れたまでは良かったけど、足を滑らせて桶と一緒に井戸の中におちちゃったんだよ」


そこまで言ってアルマは俺の方をキッと睨む。


あ、美少女って怒った顔でも可愛いなんて思った俺の目の前にアルマがズイっと顔を近づけてきた。


ヤバい、けっこう怒っていらっしゃる。


「私の見てる前で井戸にスルッとルークくんが吸い込まれるように落ちた時の私の気持ち分かる?

一気に冷や汗がブワッて出たの。凄く、凄く、凄く、怖かった」


言っている間にアルマの目には涙が溜まっていた。


ぶっちゃけ、今の俺はその時の自分のことを全く分からないが、この子にそんな顔をさせておくのだけはダメだということはわかった。


「えっと、ごめん。ごめんなさい」


「うん、もうしないでね。本当に怖かったんだから」


「ごめん、もうしない」


「うん。じゃあ、助けてくれたみんなにもお礼言おう?」


みんな?


そう言われて気がついた。


目の前にはアルマがいるが、他にも大勢の大人が座り込む俺を見下ろしていた。


うおっ、さっき周りを見渡していたのに気がついていなかった。


自分の現状に混乱していたのと、アルマの存在感で全く気がつかなかった。


「アルマ?助けてくれたっていうのは…」


「ここにいる人たちが井戸に落ちたルークくんを引っ張りあげてくれたの。私一人じゃルークくんを引き上げるなんて出来ないよ」


それはそうだ。

アルマの腕を見たって分かる。

こんな子供の細腕で俺の身体を井戸から引き上げるなんて無理に決まっている。


井戸には上から桶を水面まで垂らす滑車が取り付けられているが、仮に桶に俺の身体を引っ掛けて引き上げるにしたって一人じゃ無理だ。


そう思いながら、勢いよく立ち上がり、頭を下げる。


「あ、あの、ご迷惑お掛けしてすみませんでした」


すると大人の一人、ガタイのいいおっさんが周囲の輪から前に出てきて、下げていた俺の頭をわしわしと撫でる。


「ボウズ、本当に大丈夫か?今度からあまり無茶はするなよ。まったく、引き上げた時は息をしてなかったから、死んだかと思ってたぞ」


…マジですか。

俺はそんなにヤバい状態だったのか。


「まあ、アルマ嬢ちゃんが、親から習ったっていう心臓マッサージ?とかいうのを嬢ちゃんに習いながらやったら、ボウズは息を吹き返してな。

ここから生き返るのかと俺が驚いた。

それになんて言ってたか、アルマ嬢ちゃんも俺に指示だしながら人口呼吸?とかいう口から息を吹き込んで

「ハイエルオジさん!それは言っちゃダメって」

ああ、すまん。すまん。兎に角、アルマの嬢ちゃんもボウズを助けるのに一役も二役もかってくれたから感謝するんだぞボウズ」


「あ、はい、分かりました」


そういいつつ、既に俺の頭は別のことに気をとられていた。

アルマが俺に人口呼吸。

それは、つまり、口と口で?いやいや、落ち着け、唯の救命活動だ。他の意味はない。

例えアルマがハイエルさんとやらにさっきの事はルークくんに言っちゃダメって言ったじゃないと顔を真っ赤にしながら怒りに行っているとしてもだ。

きっと少し照れ臭いとかだ。


そもそも俺の精神的な年齢は18歳、アルマはどう見ても10歳そこそこ、俺にロリコンの気は………なくはなかったな。

オタクはすべからくロリコンの気が少しはあるものだ。(偏見)

いや、ロリが好きとかじゃなくて、守備範囲が広いから必然的に入ってしまってるだけだ。

少し年上、同じ年、少し下、ロリまで、って年下の方が範囲広い!

って落ち着け俺。18になってみっともない。たかだか、口と口があわさっただけだ。外国では挨拶みたいなもんだっていうし、ここでもきっとそういうもんなんだろ。

……いや、アルマの焦りようから見てそれはないな。

まて、逆転の発想だ。ここは見たところ日本ではない。ということはロリも許されるのでは?

いや、そもそも俺の今の体とて、似たような年齢のものならば何もおかしなところはないのでは。

そうかこの体になって心まで肉体年齢の影響を受けているだけだ。

つまり俺はロリコンではない。ただ、純粋に同じ年くらいの子とのキスが気になっているだけ!ならば、あとは俺の気持ちだけでは?アルマはあり?うん、アリだな。アルマも満更ではなさそうだし、ならあとは俺が行くだけ?よし、行ってきまーす!


そこまで考えて俺は自分の頬をグーで殴った。


落ち着けよ俺。


はしゃぎすぎだろ。

今の自分の現状すらまともに分からない状態で何をはしゃいでいるんだ。

もうちょっと冷静になれ。

お前は愛だの恋だのそんな発情していていい状態じゃないだろ。

周りを見てみろよ。アルマはおろか、周りの大人の中に日本人がいるか?一人もいない。

それにこの風景、明らかに現代日本の風景じゃない。その2点から考えてもここは日本どころか日本じゃない。時代だって現代のものとは思えない。今時井戸もないだろ。なのに、なのにだ、言葉が通じている。分からないことだらけだ。だから、今のお前に許されているのは賢者のように落ち着く冷静さだ。常に賢者タイムであるんだ。好意を向けられても鈍感であるんだ。少なくともこの現状が分かり、生きていく術がみつかるまでは。


ピンク色の思考を切り替え、俺が冷静さを取り戻すと少し遠くから声が聞こえてきた。


「通して下さーい。すみません、通して下さーい」


そんな声が周囲の人の間を縫って近づいてきた。


「すみません、通して下さーい」


徐々に近づくその声の持ち主は、プハっという息とともに人垣から吐き出されてきた。

それは灰色の髪をした一人の若く綺麗な修道女、所謂(いわゆる)シスターだった。



帰り道、とは言っても俺はそもそも出かけた覚えがないのだが。

取り敢えずルークとしての俺は井戸に水汲みをしに来て、井戸に落ちて溺れた、その帰り道。


俺は美女修道女の背中におんぶされていた。


何故こうなったのかと問われれば、経緯はこうだ。



「すいません、通して下さーい」


と人垣を通り抜けてきた綺麗な修道女、歳のほどは10代後半から20代前半と言ったところだろう。

そして胸がデカイ。

灰色の長い髪がキラキラと陽光を浴びて輝き、街で見かければ見ていないフリをしつつもチラ見すること間違いなしの綺麗さだ。

そして、やはり胸がデカイ。


普段であればそんな光景を眺めたいと思うところではあったが、その美女は俺を見つけるとタタタっと駆け寄ってきて抱きしめた。


「ルーク君、ルーク君、心配しました。井戸に落ちたと村の人が教えてくれた時は、先生心臓が止まるかと思いました。でも、ちゃんと生きててくれて良かった」


そういいながら、さらに抱きしめる強さを上げる美女修道女。

男として嬉しいシチュエーションだが、この新しい登場人物は誰だという困惑ともう一つの思いでそれどころではなかった。

ああ、シスターさん。抱きしめられるのは嬉しい、嬉しいですけど、俺の顔が埋まっております。

端的に申しまして息ができません。

水で窒息しかけて、それを乗り越えたら、立派なお胸で窒息では笑い話にもなりません。

やばい、死ぬ。ちょっと冗談抜きでギブだって。

背中をタップしても一向に手が緩まないところからこの人ほかの事が全く見えてない。


「先生!ポーラ先生!ルーク君から離れて!離れて下さい!」


そんな輪廻の淵を彷徨いそうになった俺を物理的に(灰色髪の修道女の胸から)引き離したのはアルマだった。

ああ、助かったと思うのも束の間。

アルマは灰色髪の修道女の胸からひったくる様に奪った俺の頭を今度は自分の胸に抱えるように抱きしめた。


「ポーラ先生はルーク君を窒息させるつもりですか!」


「いえ、先生はそんなつもりは少しも…」


少ししゅんとした灰色髪巨乳修道女改め、ポーラ先生はちょっと反省するように俯き加減になる。

そんな先生をアルマは俺の頭を抱えたままお説教を続ける。


ああ、前門の胸、後門も胸(大きさに差異はある)とはこう言う事か。


「ルーク君が心配で助かって嬉しいのはわかります。わかりますけど、先生は普段からうっかりしてるひとなんですからもうちょっと考えて行動をですね」


「アルマちゃん、普段からうっかりはひどい ですよー(T ^ T)」


「いーえ、ひどくありません。むしろ言い足りない位ですよ!みんな先生の事ドジっ子先生って言ってるときだってあるんですからね」


そんな…!?とショックを受けるポーラ先生に怒りながら、アルマはその胸に俺の頭を抱え続けている。

ちなみにこの体勢、やはり俺は息が出来ない。


アルマさん、アルマさん、助けるつもりで全然助かってないです。

それに先生にドジっ子言ってますけど、それ完全にブーメラン。今日のお前が言うなスレはここですか?くらいのブーメランだから。

そして、この子も俺のギブアップのタップに気づいてない。

ボクシングとか格闘技の審判、どっかから出てきて俺のギブに気付いて!



ああ、もう意識が…



「お、おい、嬢ちゃんたち、坊主がなんだか不味い感じにぐったりしてるが、そりゃ大丈夫なのか?」


「「えっ?」」


そこでやっと現状に気付いたアルマは腕の拘束をとき、俺は自由落下に任せて仰向けに倒れた。


「キャーー、ルーク君!ルークく〜ん!!」


ああ、助かったよ、おじさん。

貴方が神か。


そんなことを思いながら、アルマとポーラ先生と呼ばれていた修道女の悲鳴を聞きつつ、意識を失った。



そして、数分後意識の戻った俺だったが、一日に二回も意識を失った(俺の感覚だと一回)とあってはそのまま歩いて帰らせることも心配とのことで、ポーラ先生の背中で乗せられているのだった。


もちろん、俺は歩いて帰れると言ったのだが、押し切られてしまった。

本当だぞ!



とまあ、こんな感じて現在にいたる。


俺を背負うポーラ先生の横をムスッとした顔のアルマが歩いている事と俺がおんぶ状態で恥ずかしい事を除けば、落ち着いている時間だ。


ちなみにアルマがムスッとしてるのは、俺を背負って帰ることが決定した際に、背負う役をアルマがかって出ようとしたのだが、先程俺を窒息させかけた件からポーラ先生にその役を取られたからである。

それに帰る場所までの距離がそこそこあるため、俺と身長のそれほど変わらないアルマでは、そこまでの距離、俺を背負って歩くのは肉体的、物理的に無理だろと俺が言ったせいもあり、さっきから少し不機嫌なのだ。


ちなみに今帰ろうとしている場所は、丘の上にある教会だ。

教会が孤児院を運営しており、そこで俺やアルマは生活しているようだ。ポーラ先生はそこのシスターと言うわけだ。


なぜそんなことが分かるのかと言えば、不思議と記憶があるのだ。

デジャヴとは違うのだろうが、知らないことのはずなのに知っている。


何を言っているのか自分でもわからないが、鰐鮫覚視(わにざめさとし)としての人生、それ以外の記憶、つまりルークとして生きた記憶がある。


だから、周りの人が何を言っているのか分かるし、スッと初めて会う人の名前が口をついて出てしまう。

なんのなく知りたい事柄について考えると、思いだすように分かるのだ。


そして、ルークとしての記憶から言えることはここが、日本はおろか、地球上ですらないこと。

ここはノースガルド大帝国の首都から見てのだいぶ北にある村、メフラー村。

こんな名前の国は地球上に存在していない。

そもそも俺は日本で死んだはずだ。

そこから導き出される答えは、


「異世界転生ってことか?」


一人呟いた俺を、隣を歩いていたアルマとポーラ先生が振り返る。


「?…どうしたの?」


「いや、なんでもない、なんでもない」


「本当ですか?どこかやっぱり痛むとかあったら隠さずに先生に言って下さいね。ほっておいて、どうにもならなくなってからじゃ、遅いんですから」


「本当になんともないですよ。本当に」


「なら、いいんですけど。どこか痛くなってきたら、すぐに先生に言うんですよ。アルマちゃんもルーク君が痛いのを隠してないか見ていてくださいね」


「はい、しっかり見ておきます」


そう言って俺をじっと見ながら歩くのを再開するアルマ。


俺、信用ねー。


まったく、そんな風に横向きながら歩くと転ぶぞ。


それに俺が隠す前提で話が進んでる。


まあ、怪我はともかく、確かこの記憶については隠しているからあながち間違いではないのだが、これについては話せない。


もしかしたら、このルークという少年の体を俺が乗っ取ってしまったという可能性だってあるのだから。


ただ、異世界転生にしたって今の状況は色々とおかしい。

まあ、異世界転生って言っても俺が知っているのだって創作だから、実際に転生したらどうなってるかいるのが正解かなどわかりはしないのだけど。


ただ、創作基準で考えるとやはりおかしい。


このルークという少年の体に俺の記憶があることだ。

可能性は考えつく限り三つ。


①先程も言ったように、俺の魂がこのルークという少年の体を乗っ取った。


②転生してから眠り続けていた俺の記憶が、井戸で死にかけた事をきっかけに今目覚めた。


③転生した先の肉体が、生まれ変わる俺の記憶に適応できるもしくは理解できるところまで成長したから今になって急に目が覚めたような気になっている。


どれがいいかと言えば、②か③であってほしいとは思う。①だったら一人の少年の人生を潰したことになる。もしくは少年の魂がどこかのタイミングで目覚めて俺がこの体から叩き出される可能性だってある。


まあ、現状どちらであっても証明できないし、またなにかをする手立てもない。

であれば、②か③であることを信じる以外に出来ることはない。

そうじゃないと精神衛生上良くない。


もう一つのおかしなところだが、そもそも、異世界転生したら記憶は保持するものなのかということだ。


俺は確かに死んで輪廻転生の輪にいたはずだ。


創作では異世界転生の際に記憶をあたり前のように保持していることが多いが、それは何か神様の手違いとかなんらかの理由があって保持しているのであって、俺は神様などにあってもいない。


まさかその間の記憶だけが抜け落ちているなど考えにくいし、普通輪廻転生したら記憶はリセットされるはずだ。


なのに今俺はルークになる前の鰐鮫覚視(わにざめさとし)としての記憶を保持している。


これは一体どういうことなんだ?




悩む俺の顔をどう勘違いしたのか、


「先生!ルーク君がなんだか苦しそうな顔をしてます!やっぱりどこか痛いのを隠してます」


「やっぱり痛いのを隠してたの!?アルマちゃんに見ててもらってよかった。ルーク君、早くどこが痛むのか教えて!」


いまいち、ルークと呼ばれるたびに自分ではなく別の誰かを呼んでいるのではないかと思い、反応が遅れ対応も遅れた俺は先生の背中から降ろされて地面に寝かされる。


「ちょまっ!?大丈夫です!僕はどこも痛くない」


「嘘です!痛い人はみんなそういうの!ルーク君あばれないで!アルマちゃんルーク君が暴れないように抑えてて」


いや、それどこの歯医者を怖がる子供なの!?


「わかりました先生、抑えますね。 そうだ!もしどこか怪我してたら、怪我したところから血が出ているか、ぶつけていたら内出血して黒くなっているかも!」


「そうね!なら、ルーク君大人しく服を脱ぎなさい!」


ちょっ、二人で勝手に決めないで!


「やめてください!怪我なんてしてないって言ってるじゃないですか!」


「大人しくして!服が脱がせにくいでしょ!」


「アルマはなんで鼻息荒くしてんだ!別の意図を明確に感じるぞ!」


「先生、ルーク君が良くわからない事を言ってます。やっぱり頭とか打ったのかも」


「だからなんで頭を打った話をしてる最中にズボンに手をかけてるんだよ!」


「ルーク君、先生に痛いことを隠さないで!」


「ちげぇよ!隠したいのはズボンの中身だよ」


「ズボンの中を怪我してるの!?」


「いや、そういう話をしてるんじゃない!!こんな道の真ん中でズボンを降ろされるのが、恥ずかしいっていう話をしてるんです!」


「大丈夫、怪我の治療は恥ずかしいことじゃないわ」


「いやだから、怪我なんてしてないって言ってるじゃないですか!そもそも男が脱がされるシーンとか誰得なんですか!こういうのはどっちかって言えば二人こそが脱がされるべきなのでは!(←錯乱)」


「やっぱり、おかしなことを言ってる。頭を打ったのは確定みたいね。どこを打ったの先生に見せて!」


「おい、アルマ、静かにしていると思ったら!黙りながらならズボンを下ろしにかかっていいわけじゃない!」


だが、いかんせんニ対一。しかも女の人とは言え片方は大人だ。身長も勝ててない。俺の必死の抵抗も虚しく、ポトリと椿の花が地面に落ちた(←比喩)。


「アッーーーーーーーーーーーーーーーー!」


ここで書き直しは終わりですね。

お話も少し進みました。


ちなみにアッー!の使い方は間違っていることは知っていますが、ネタてきに入れて見ました。

分からない方は気にしなくてよろしい。


やっとヒロインたちが動きはじめましたね。


私としても女の子が動かないと面白くないので、ここからが本当のスタートと言っても過言ではないですね。


ちにみにヒロインはまだまだでますよ。

ハーレムっぽい何かにはなりますが、ハーレムではないつもりです。

最低でもあと4人はでますかね。

次の話でそのうち3人くらいでそうな気がしていますが。(ネタバレ回収が早い)


ここでキャラクターについて少し説明します。

今回登場した二人のヒロインの名前についてです。


まずは、アルマ。

苗字というかファミリーネームはおいおいあかされますが、アルマというこの名前。

スペイン語で魂という意味です。

なかなか意味深な名前でしょう?

この名前がどんな意味を持っているのか、それは今後のお楽しみ。


次にポーラ先生。

こちらも苗字はおいおいあかされますが、ポーラというこの名前。

ラテン語では小さいと言う意味がありますが、その意味ではなく、ポーラスター、つまり北極星と言う意味からきています。

昔の旅人は北極星を夜空から探して北の方角を見つけたといいます。

旅人の道しるべ、そこから皆を導く人という意味で、先生にはこの名前を付けさせていただきました。

ポラリスというのも北極星のことなのですが、ポーラと決めたあとでこの名前を知ったので、そのままポーラ先生にしました。


さて、今回の名前小話はこんなところですね。


今のところ、順調に見える主人公の転生は、これからどうなっていくのか(不穏)

皆さん、お楽しみに〜




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