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お人形さん〜終焉〜  作者: 月影 ゆかり
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0×3つめ

また1人、死んでしまった。


お人形さんの止め方がわからない。


本や、ネット。友達の美空にも聞いた。


でも、わからなかった。


「お人形さんって、本当にあるのかな」


桜田さんが、ぽつりと呟いた。


あれから よく一緒にいるが仲が良いのか自分でも、わからない。


「本当にあるよ。」


私は言った。 桜田さんはどう思うだろ?やるのだろうか?


「そうなんだ。 嫌いな人を殺せるんだよね…なんか嫌だな」


桜田さんは、少し悲しそうな顔をした。


「嫌いな人、いないの?」


桜田さんは、少し間があってから言った。


「いるよ。 二階堂さんも1人くらいいるでしょ? 殺したいって思ったことも何度かある。でも…」


「でも?」


「殺しはしない。だって、お人形さんに頼んでまで 殺人はしたくないし。」


桜田さんは、良い人なんだ。


心が綺麗なのかもしれない。


殺したいと思う人。


嫌いな人。


私にもいる。


* * *


1.


「お人形さん…」


今、学科では有名になっている。


もちろん、先生達は否定している。


殺人鬼の仕業だと。


まぁ、どっちでもいいけど。


お人形さんが有名になってから、女子達は嫌われまいと誰かれ構わず 媚を売っている。


私はそれを見て、惨めだなぁ とつくづく思う。


もう、嫌われてる人が何したって無駄でしょ。


私はさっき、隣のクラスの夏風(なつかぜ) 奏多(こなつ)という人から貰ったメモを見た。


どこで手に入れたんだろ?


そして、なぜ私に渡すのか。


まぁ、いい。


捨てるのも、もったいないし 誰か嫌いな人を殺してもらおう。


あのうるさい女子とか、ぶりっ子のあいつとか。


嫌いな人、なんて言われたら案外多くいるものだ。


でも、殺したいほど嫌いな人って言われると1人しかいない。


赤城(あかき) 桃音(ももね)


男子からは、かわいいとちやほやされているが 性格ブスな見た目だけがかわいい女子。


プライドが高く、自分より上がいると 笑顔で蹴落としていくような性悪女だ。


まぁ、それだけなら 殺したいとは思わないだろう。


彼氏を奪われたのだ。


殺したいって思うはず。


当の私は、代償を払ってもいいから殺したいと思っている。




2.


確かに、あいつのために身体の一部が取られるというのは嫌だ。


でも、命は取られないのだから。


まぁ、頭を取られたら死ぬけど。


でも 代償を払った中で死んだ人はいない。


何人か、精神がおかしくなった人もいるみたいだけど。



部屋に1人。


ちょっと、キツイかな。


私は妹と同じ部屋だった。


でも、寝室は分かれてるから まだ幼い妹は深夜0時には寝ているだろう。


少し、緊張していたが バレないようにいつも通り過ごす。


夜ご飯を食べて、お風呂に入って、ゲームをする。


そして、少し勉強する。


ゲームや漫画を読んでいると、案外深夜0時なんて すぐにやってきた。


もう、みんな寝ている。


私は眠い目をこすりながら、電気を消した。


正座をして、ドアに背を向ける。


「お人形さん、お人形さん どうか赤城 桃音を殺してください」


これで、彼氏が戻ってきてくれれば どんなに良いことだろう。


目を開けてから、電気を点ける。


「何やってんだ。私」


やっぱり、嘘じゃないか。


期待してた私が恥ずかしくなってくる。



でも、ホラーだと「なーんだ。嘘か」って思ってたら来た!っていうの多いよね。


ガタン


ほーら、来た!


私がドアの方を見ながら、今か今かと待つ。


ガチャ


「おねぇちゃん。まだ寝ないの?」


妹は眠そうな目で聞いてくる。


「もう寝るよ」


なーんだ。妹か。


「わかった。」


妹と一緒に寝室で寝る。


お母さんとお父さんは、もうぐっすりと眠っていた。


布団に入ってから、すぐ目が閉じた。


こんな夜遅くまで起きてたから、眠かったのかも。




3.


布団に入ってから、ふと目が覚めた。


目覚まし時計を見ると、時刻は深夜3時。


なぜか、とても寒い。


背中がゾクゾクするような寒さだった。


タンタンと足音が聞こえる。


周りを見ると、お母さんもお父さんも妹も、

みんな寝ていた。 私以外。


「誰?」


私は小声で言った。


返事はない。


泥棒?いや、違う。 お人形さん?


私は起き上がろうとした。が、動けなかった。


金縛りだ。


キィィ


ドアが開く。


誰かが入って来た。


トタトタトタ


私の方へと歩いてくる。


私が寝ている布団の上に 何か軽い感触がある。


怖い。


怖い。怖い。


声が出ない。


みんな起きて!


お母さん!


お父さん!


妹でもいいから!


お人形さんの顔が見える。


私をジッと見ている。


不気味な笑みが、ただ、ただ怖かった。


口がパクパク開くだけで、声は出ない。


お人形さんが布団の上から、ナイフで腕を刺してくる。


痛い。


痛い。痛い。


痛い。痛い。痛い。


布団から赤色がじわりと広がっていく。


ただ痛みと怖さが、頭の思考を停止させた。


「た、たす…け…」


声が小さく途切れ途切れに出てくる。


でも、それと同時に意識も朦朧としてきた。


私はゆっくりと目を閉じた。


怖さも痛みも、今は忘れたかった。


朝、起きたらきっと怖さが、悲しみが、頭を支配するだろう。


だって…




腕がないんだから。

ホラーって難しいな。

読者がこれからも面白いって言ってもらうために、色々とパターンを変えなきゃ。


これからも、頑張ります。



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