ガールズ・バトルの果てに
「…全くもって状況が掴めないんだが…」
目が覚めたクロトは目の前の光景が理解出来なかった。
いつものように身体中が炎に包まれているホノカ。
それをなだめるマキナ。
そして頭にたんこぶを2つ作って倒れてる少女。
「ちょっとクロト、この状況なんとかしなさいよ!」
「いや意味分かんねぇよ。」
「とりあえずホノカちゃんの炎だけでもなんとかして!!」
「はいはい。 おいホノカ落ち着けって 。よく分かんないけど。」
「どうせ私は使えない女ですよっ!…ってクロトさんいつからそこに?」
「いやついさっき。」
「あぁ、よかった…」
「ん、何が?」
「い、いえ、なんでもないですっ!」
「?」
クロトがホノカを落ち着かせてから数分後、ようやく少女が起きてきた。
「まさか1日に2回も殴られるなんて…」
「当然の報いよ。」
マキナがそう言う。
「ところでマキナ、そこの子知り合い?」
「そういえばまだ名前とか聞いてないですね。すっごく馴染んでますけど。」
「じゃあ紹介するわね。彼女は…」
「はーい、私は遊行 轍でーす!恋に全速力な15歳です!!ワダっちって呼んでね♪」
「…まあ、いいわ。彼女は私の―俗に言う足よ。普段は運び屋もしているわ。あと、―私の保護観察対象でもあるわ。」
「おいマキナ、お前パートナー取らないって…」
「あんたがそれ言えるの?」
「うっ…」
お互い様だった。
「ちなみに、好きなタイプはお兄さんみたいな人でーす♪」
「…」
明らかにマキナの機嫌が悪い。
「…あぁ、よろしくな、ワダチ。俺は剣崎 黒斗だ。」
「…よろしく、お願いします、ワダチさん。私は竜野 焔花です。」
「えー、渾名で呼んでくれないんだ…まぁいいか、よろしくね。お兄さん、たつのん♪」
「…た、たつのん…?」
「うん。渾名だよ♪どう?気に入った?」
「あ…はい…」
「よかったー!マッキー渾名で呼ぶと怒るからドキドキしたよー!!」
「だからマッキー言うなっ!アンタの渾名のせいで、私油性ペンか何かだと思われてるのよ!!」
「ごめーん♪」
唐突に、しかし確実な意思を持ってマキナが口を開いた。
「ねえみんな、合宿しない?」
「はぁ?合宿?」
「合宿… いいですね 行きましょう!」
「いいねー 行こう行こう♪」
約1人を除いて全員賛同した。
「いや、行ってもいいんだけどさ、どこにどうやって行く訳?」
「行く場所はここから北にずっと行ったところにある私の別荘よ。移動手段は―ワダチ、あれ用意して。」
マキナがドヤ顔で指を鳴らす。
「りょうかーい。」
それに応じてワダチが馬車のキーホルダーを持って外へ出た。
「はい、アンタ達も外出るわよ。」
言われるままに外へ出た2人が見たのは、
「行くよー、『親切すぎる馬車』!」
「いや、騎馬戦車というより装甲戦車じゃね?」
超近代的な戦車だった。