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「乙女はお姉さまに恋してる―after.elder―」  作者: かずとん。
―Virgin and my male daughter―
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第6話「歓迎会と幽霊?の歓迎会!」

歓迎会の準備をしている間、俺は部屋に戻っていた。いや、ちゃんと手伝うと言ったぞ?でもあの子らは


「瑠季さんはお部屋で待っていてください。」


「そうですわ、私達が準備をしておきますし。それに瑠季さんはまだ来たばかりのお客様ですから、さぁさぁ、お返事に帰ってください!ふんす!」


海莉と夜埜依は俺を廊下に追い出してバタンッッ!!と扉を閉めた。というか、ふんす!ってお嬢様が使っていいのかな……という訳で準備が終わるまで、このお世話になる部屋を見て回っていた。


「しっかし、女が住むのも躊躇う部屋だろ…」


本棚、ベッド、机の引き出しなどを開けたり見たりしてうろちょろ。最後はクローゼットだ


「なんだろな、この開けちゃいけない雰囲気は…」


クローゼットから異様な空気を感じる。なんか、人間じゃないような。これでも柔道とか色々やってたから気配は読めるが、ただの気配じゃない。すると


カタカタカタカタカタカタカタカタッッッッ!!!!


「ぬぅわぁ!?!な、何だこの音ぉ!!」


あーそうだよビビリだよ!幽霊とかポルターガイストとか嫌いだよ悪いかよっ!?


「あ、開けなきゃダメか?」


クローゼットから目が離せなくなる。たまにカタカタ鳴るし。


「ゴクリ………か、神様まだ死にたくないからな?……」


俺はクローゼットのドアノブに手をかけて。


「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


ガシャンッッッッ!!扉を開けると……


「こ、これは!!瑠季さまの秘蔵ファイルに保存しておきましょう……で、この裸体瑠季さまの画像はって、瑠季さまどうかされま――」


バタンッッ!!!とクローゼットの扉を閉めた


「てめぇは何してんだ……ビビったろ!?」


バンっ!と閉めた扉を殴る。


『こら、扉を殴るのをやめなさい。私物じゃないのですから、壊したら弁償です。』


「やかましい!!大体そんなとこで盗撮とかやめろよな!?」


中に居たのは鴒だった、扉を内側から開けてクローゼットから出てくる。メイド服を軽く払い


「盗撮?そのような卑怯な真似など致しませぬ!!やるなら堂々とやっています!」


「んな意味わからん宣言いらんわ!!……というか、お前スカートに何か付いてるぞ」


俺はそのスカートに付いた何かを手で取ると。


「なんだこれ、紙切れ?」


ボロボロだが、確かに何か書いてある。


「おや、御札でしたか。このクローゼットに貼ってあった見たいですね」


「なんだよ御札かよ、ビビらせやがって。」


………………………………

……………………

………………

…………

………


「おふだ?御札ぁぁぁぁぁぁあ!?!?………………きゅう………」


「おっと、本当に昔から幽霊類は苦手でございますね。」


気絶した俺を鴒は抱きとめ、ベッドへもたれさせた。


「御札ですと、10分は起きませんし。すこし……」


鴒はカメラを取り出し、パシャパシャ撮る。


「さて、起きるまで待ちましょうか。」



しばらくして、瑠季は目を覚ました。


「お、俺は一体。鴒……」


「おはようございます。瑠季さまは引越し作業に疲れて眠っていらっしゃいましたよ」


「あ、あぁそうかそうか。……んなわけあるかぁ!!なんで御札なんかあるんだよ!?」


「調べておきますので今は忘れなさい。それよりそろそろ食堂に行かれては?」


時間を見ると歓迎会準備を始めてから大体一時間くらい立っていた


「お、いかなきゃな。鴒も来いよ」


「ならば、給仕をさせていただきましょう」


瑠季と鴒は二人で食堂に向かった。食堂の扉を開けると、テーブルにはイギリス料理に日本料理が並ぶ。


「ん?日本料理って大丈夫なんですか?」


皿を並べていた海莉に話しかける。


「特別に許可を得ました。歓迎会くらい日本料理でもいい筈です。」


「なるほど。あ、紹介しておきます。こちら、私の身の回りのお世話をしてくれています」


「里馬鴒でございます。なにかありましたら、この里馬までお申し付けくださいませ。」


鴒はペコリと頭を下げる。


「里馬…確か里馬給仕社の里馬でしょうか?」


コップなどを用意していた夜埜依も会話に参加してきた。


「はい、しかし今は竹ノ宮専属でやっております故、そのような会社はありません。」


「里馬給仕社、確か世界に存在する大きな会社ですよね。」


「今はそれをやめて、各々散らかり色々な任務をしております。」


俺すら知らないことなんだが。夜埜依と海利も自己紹介をして、今度は


「瑠季さんはこちらに来る前にはどちらの学園にいらしたのですか?」


「へ?おれ……私ですか?」


夜埜依からの質問なのだがしまった、全然考えていなかった。大体聞かれることは勉強したつもりだったのに。すると鴒がフォローを入れてくれた。


「瑠季さまはこちらに来る前までは、成瀬女子学院にいらっしゃいました。」


「成瀬女子学院。聖應と並ぶ女子学院ではないですか、なぜこちらに?」


海莉は疑問を璃季にぶつけてきた。


瑠季「あぁー。それは、イジメられてね?ちょっと行くのが嫌になったと言いますか……」


「ぶふぉ(笑)……失礼。すこし喉にサンドイッチがつまりました。」


夜埜依は、あらあら、と言いながら鴒に水を渡す。てめ後で覚えてろよ。


「イジメ…そうだったのですか。それは大変な思いをされたのでしょう、私も昔に一度ありましたがなんとか乗り切りました。」


「瑠季さまはイジメられては泣いて、幽霊も苦手でして、何かあればご助力をお願いいたします。」


「よ、よろしくねぇーあははー。」


鴒の野郎遊んでやがるな。俺も仕返しとばかりに


「鴒さん?下がってよろしいですよ?」


「へ?まだ歓迎会は終わっていませんが?」


「給仕がすることはもう何もないでしょう?」


鴒は『仕返しですか?』という顔をする。しかし鴒は下がらずに


「海利さまは最初から聖應にいらっしゃったのでしょうか?」


「はい。寮やセキュリティ対策もしっかりしていますし、何より憧れて入ったのです。」


「ひょっとして、二代前の妃宮千早さまでしょうか?」


「はい、白銀の姫君と謳われた。私の憧れの存在なのです」


見事に千早に騙されてたのか海莉は………


「そ、そうなんですか…夜埜依さんは?」


俺は苦笑いしながら夜埜依にも聞いてみる。


「私は4代前の宮小路瑞穂さまですっ。十月革命は有名ですし、なにより瑞穂さまの御活躍により学園の規律をかなり変えましたから」


夜埜依は自分のことかのように楽しそうに話す。話をしていると時計は早くも夜9時を指していた。


「もうこんな時間でしたか。お開きにいたしましょう。」


海利は立ち上がる。それに合わせて夜埜依も立ち上がり


「片付けもこちらで終わらせますので、お二人は先にお休みください」


「いやいや!片付けくらいはやりますって!」


「いいですから、さぁ!」


夜埜依に背中を押されて追い出された。


「お、女の子って本当によくわからんな…」


「女心もここで磨いてくださいね。」


鴒は俺と部屋が違うため、別れた。俺はため息を吐きながら部屋に入り、電気を消して。ベッドに入る。


「本当に来ちゃったんだよな…はぁ。やっていけるのかな」


真っ暗になった天井を見ながら、独り言を呟く。


「嘘をつくなんてなぁ。嘘は嫌いなんだよ、いつかでかくなって帰ってきそうでさ。」


誰に話しかけてんだろって思いながら、目をつむり寝る体勢に入った時だった。



ガタガタガタガタガタガタ!!!


「ひぃっ!!?」


ま、まただ!またガタガタガタガタガタガタ鳴っとるよ!?


「れ、鴒てめぇ!いい加減にしないと怒るぞっ!」


しかし、ガタガタは鳴り止まない。クローゼットだけではなく、周りの家具までガタガタと鳴り響く。


「だ、だめだ、俺は本当に………ゆ、ゆゆ、幽霊だけは!」


あまりに怖すぎて布団へ潜る。しばらくすると、ポルターガイスト?は収まる……ゆっくりと、布団から顔を出すと


『こ・ん・ば・ん・わっ・♪』


瑠「――――――――――きゅぅ」


俺は気を失った………――――

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