ぬればのからす
ぬればのからすが まつのきの
うえでやぶれた もふくきて
かあかあなくと かわらばん
まちのわかしゅう みにきたと
こしをぬかして にげかえり
おんながばけたと ひろまった
からすになっても おんなのち
かぎきずきりきず ちとちとせ
やくにんききしり かけつけて
きりきりつかみ はりつけて
よをまどわすは ようじょなり
わきさしくびさし さらしくび
つきがかくれた よなかのばんに
くぎぬきにくい さらしくび
ふらふらちょうちん だれかいな
ばけたおんなの うらみくび
さむらいちょうにん かまいなし
くびからくびへと かみちぎる
ぬればのくろかみ ざんばらに
ぬれているのは ちのにおい
ばけものたいじに おおぜいで
おうもおわれて もうきょうらん
くびはおしろへ とびこんだ
おしろでとのさま ぎょっとした
おっとりがたなで かけつけた
けらいがしんじょで みたものは
からだはとのさま くびちがい
あたまはまっくろ からすのこ
けけけけけけと たかわらい
てんしゅへのぼり とびおりて
そのままどこかへ とんでった