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巡り廻られる物語の物語  作者: 水谷 空
第二章・柏木優輝の物語
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二十八.嵐の前の静けさ…………

ブルーの話が終わった後、時間を見ると そろそろ朝食を作らなければならない 時間になっていた。


昼食や夕食は莉奈が作ってくれるが、朝食だけは俺が作っている。理由は、莉奈が朝起きるのが弱いためだ。

昔一度だけ朝早い時に莉奈が朝食を作ってくれたが、それはとても悲惨なものだった。


(パンは焦げ、卵の殻は潰すなど散々だった。)


それ以来俺自身の朝食は自分で作っている。莉奈は自分のパンを焼くぐらいの力があるようだ。


そして、いつもどおりパンと目玉焼きを四人分作り、スパークに琴音ちゃんを起こしに行ってもらい、全員そろって食べた。

食べ終わると、みんな制服に着替え学校に出発した。


「なんでお前まで制服を着ているんだよ 、ブルー。」


俺は当たり前のように制服を着て、学校に向かっているブルーにたずねた。


「少し学校に用があるだけです。この服装の方が怪しまれませんし。」


「何をしようとしているかわからんが、事件だけは起こすなよ。」


「いえ、その逆ですよ。事件を解決しに行くのです。」


「解決?何の事件をだ?」


「秘密です。」


めずらしくブルーは、何も教えてくれなかった。


(ま、ブルーにも隠し事の一つや二つあるだろう。)


その後も色々みんなと話していると、意外と早く学校についた。


「おはよう!つーちゃん、待ってよー!」


すると正門前で、珍しく莉奈が後ろから高らかに手に振りながらこっちに近づいてきた。

しかし、莉奈が大声でそう叫んだため周りにいた他の生徒たちにすごく注目された。


(少し恥ずかしい……。)


皆が見ている中少し待っていると、莉奈が追い付いてきた。


「改めておはよう!つーちゃん、琴音ちゃん!ん?ねぇつーちゃん、その後ろにいるイケメンさん二人は誰?つーちゃんの親戚?」


「…おはよう…ございます。」


「おはよう。珍しいなお前が俺より遅く登校なんて。てかもう少し静かにしろよ、みんながこっちを見ている。」


そう告げると莉奈は少し辺りを見回してさっきより小さな声で話だした。


「ごめんごめん。で、そのお二人さんは誰?」


「金髪の方はこの学校の一年の転校生でスパーク・ウェンズ・カール。」


「スパーク・ウェンズ・カールと言う。呼び方はスパークで。これから宜しくお願いします、神藤先輩。」


話し方をいつ変えたのかは分からないが、スパークは、一歩前に出て 自己紹介をした。


「私のことは『神藤先輩』じゃなくて『莉奈』でいいよ、スパーク君。」


「分かりました。……莉奈さん。」


「で、もう一人はだな。えーと……。」


「中学三年の青野トキヤと言います。七月ごろにこの学校へ転入する事になりましたので、どのような学校なのかと見学に来たのですが、道に迷ってしまって……。しかし、その時ちょうど神田さんに声をかけてもらい、ここまで案内してくださりました。神田さんには感謝しております。」


俺が説明に困っていると、ブルーが自分から話し出した。


(よくそんな嘘が思いたついたなぁ……。)


「そうでしたか、つーちゃんに道案内を。あ、私は中学二年の神藤莉奈です。これから宜しくお願いします、青野さん。」


(うわぁ……、莉奈の丁寧語久しぶりだ。こいつは先生にも気軽な口調なんだよなぁ。)


「こちらこそ宜しくお願いします。神藤さん。では、私はこのあと用事がありますのでまた後程お会いしましょう。それでは。」


ブルーは少し頭を下げ、先に学校に入っていった。


「凄く丁寧な人だったね、つーちゃん。きっとあの人モテるよー。てゆうかつーちゃん道案内なんて偉いね、私意外すぎて一瞬思考が停止したよ。」


「いやいやいや、俺にだって道案内ぐらいできるよ。」


結局ブルーの嘘に乗ることにした。


「つーちゃん、そんなに立派に育ってくれて私、嬉しい……。」


莉奈が少し出てもいない涙を拭き取る演技をした。


「お前は俺の母さんか!」


意外に演技がリアルだったため思わずツッコミをいれてしまった。


「ニャハハ~、まぁここで立ち話もなんだしまたお昼の時にでも話をしようよ。」


「そうだな、遅れても行けないし。じゃ、二人ともまた後でな。」


そう告げると、俺と莉奈は二年のクラス、スパークは一年、琴音ちゃんは小学校の方にそれぞれ向かっていった。











続く

次の投稿は諸事情により少し間を空けます。

まだまだ続けていきますので、これからもよろしくお願いします!


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