二十六.秘密(《能力》と《体》)
「まずは僕から説明するっスね。」
俺達は、部屋を出てリビングへと移動した。
琴音ちゃんは、前回のように寝たまま『翼』が出てきて、椅子に座った瞬間消えた。
(全く、エンジェルの能力は不思議が多いな~。)
「ブルーがどうして『神田連』の姿で存在しているかというとっスね。繋ーも知っての通り、ブルーは『神田連』の体を借りているっス。」
「ああ、でもそれって能力以外は使わないんじゃなかったのか?」
「いつそんな事ブルーが言った。ま、能力以外は使った事ないから勘違いもするか。」
「キラー、それは勘違いとは少し違うのでは……。」
キラーが話に割り込んだところに、ブルーも割り込んできた。
「……っん。」
「あ、おはよう。琴音ちゃん。」
いろいろと雑談混じりで話していると、琴音ちゃんが起きた。
「…皆さん、…おはよう…ございます。」
そう告げると琴音ちゃんは、パジャマのポケットからイエロースターの付いた髪留めを取り出し、丁寧に前髪に着けた。
「必ずそれ着けるんだね。琴音ちゃん。」
「…はい、大事な物、…なので。…着替えて着ます。」
琴音ちゃんは、危うい足取りでふらふらと自分の部屋へ上がっていった。
「で、話を戻すっスよ、皆さん。」
スパークがそう言うと、意識を話に戻した。
「軽く長い説明になるっスけどいいっスか?」
「面倒だから簡単に簡潔にでよろしく!」
「で、できる限り頑張ってみるっス……。」
スパークは少し間をおいて再び話を始めだした。
「『マスター』たちに生み出された僕たちはこの世界『地球』に存在するために《体》と《能力》が必要なんっス。例えばキラーが『身体強化』と繋ーの体で、僕が『エレクトロマスター』とこの体で存在しているっス。」
しかし、俺は一つ疑問が生じた。
「なぁ、キラーの能力は『肉体強化』じゃなかったか?」
「特訓のおかけで名が変わったのさ。これって結構凄いんだぜ。」
キラーが少し嬉しそうに言ってきた。
「まぁ、それは置いといてっスよ。今までの話の通り、ブルーが存在しているのは『データ圧縮』と繋ーの兄さん『神田連』の体のおかげっス。また、何故能力と体が必要かというと、《能力》は人格を《体》は表で生きるための体を安定させるためっス。そして、この体や能力はいつでも使用可能で僕たちは仕事などで主に使ってるっス。」
スパークは、一旦話を止めてズボンのポケットに手を入れ、少しゴソゴソさせたあと手を抜き、掴んだそれを机の上に置いた。
「そして、《体》や《能力》はこの『スターズ』にいつもは収納してるっス。無くしたらヤバいっスから、いつも僕たちはこの『スターズ』を手離さないんっスよ。」
これで琴音ちゃんがいつも『イエロースター』を持たせている理由が分かった気がした。きっとエンジェルかホーリーかが上手く記憶に紛れ込まして大切にさせているのだろう。
「でも、この二つには欠点があるんスよ。」
「欠点?」
「はいっス。《能力》の欠点は使うと体力、記憶などが欠落するんスよ。これはさほどヤバいというか、軽い方なんスけど……。」
(あぁ、だからスパークと戦った時頭痛がしたのか……。てかそれで軽い方なのかなぁ?)
「《体》は使えば使う程どんどん消耗、消費していくっス。」
俺はそこでまた一つ疑問が浮かんできた。
「もし消耗、消費し続けるとどうなるんだ。」
「そこが欠点のポイントっス。消耗、消費し続けるといつか《体》が消えてしまうっス。それはつまり……。」
「死……。」
確かに考えてみたらそうだ。ブルーたちがここに存在しているのは《体》と《能力》があるからで、どちらかが欠けてしまうと存在できなくなる。
それはつまりブルーたちまたその体と存在の死を示している。
「なので僕たちは《体》を大切にし、より耐久力が高い《体》を探しているっス。で、ブルーが『神田連』を使っているのは《体》が凄い耐久力を得ているからっス。では、ここからはブルーに……。」
「待て待て待て!ブルーが連兄の体を使っている理由は分かった。だけど、その話だとスパークのその体と俺は凄い耐久力を得ている事になるぞ。そんな事有り得るのか!?あと、琴音ちゃんはどうなる!?」
俺は少し前に乗り出しながら言い寄った。
「まぁまぁ、待って下さいっス。今から説明するっスから。」
スパークはそう言いながら両手をこちらに降参のポーズをした。俺はそれを見てまた体を椅子に戻した。
「僕の《体》はマスターに貰った物で、これは《能力》を使うのと《体》の消耗、消費が比例して消耗、消費するっス。ただ使うだけなら消耗、消費はしないんっスよ。え~と、つなぎーの体は……どうだったっけ、キラー?」
机の上に置いていたレッドスターが一瞬光って前回同様話しだした。
「お前は一度死んでいるから消耗も消費なんかは全く持って関係ない。ブルーの体も一度死んだから関係ないと思われていたが、能力が邪魔していたから消耗、消費が弱くなるだけになってしまっている。これでいいかー……、俺はまだ寝る。」
そう言い残してレッドスターは光が弱くなって少し暗い色合いになった。
「と言うことっス。琴音っちはエンジェルとホーリーの特権と能力があるから心配する事は無いと思うっス。」
それを聞いて俺はホッとした。琴音ちゃんは最小限関わるだけで、なるべく関わってほしいからな。まだ小四だしな。
「では、これで僕の説明は終わるっスねー……。じゃ、今度こそブルーにバトンタッチっス……。」
それを告げて話し疲れたのか両腕をダラーとたらして、上を見て椅子に座っていた。ま、結構話したしなぁ~。乙!!
「さ、ここからは私が話しますよ~!」
何やらブルーに気合いを感じてきた。やっぱり何か違和感を感じながら意識を話を戻す事にした。
(また、長くなるのかなー……。)
そう考えながら、俺は軽くため息をついた。
続く




