二十一.スパーク戦(後編・下)・『管理人使者』
俺は、スパークからいきなり合格だと言われ、軽く戸惑っていた。
「ああ、忘れてたちょっと待ってくれな。」
そう告げるとスパークは首に手を当ててぶつぶつと何か言い、手を戻した。
「はい、これでいいっス。待たせてすまなかったスね。では続きをっスねー…。」
「いやいやいや!今の何なんだ!」
「ああ、今のはただの喋り方を変えていたのを直しただけっス。」
俺は軽く首を傾げるとスパークが、ハッと気付き言い直し始めた。
「喋り方を変えていたのは、この喋り癖を隠すためっス。この喋り方だと何だかみんなに伝わりにくい事が多くて…。だから、『マスター』に命令で魔力で変えて隠していたんスよ。分かってもらえたっスか?」
「え、でもそれって今直す必要あったか?」
「これって意外と魔力を喰って疲れるんスよね。」
なるほど、と言うとスパークは軽く笑みを浮かべて話し出した。
(ま、変えても変えなくても変な喋り方だけどなぁ~。)
「話を戻すっスね。合格というのは『管理人使者』についてっス。」
「『管理人使者』?」
「あれ?ブルーやキラーから聞いていなかったスか?おかしいっスねー…。ちょっとスターズ二つ貸して下さいっス。」
俺は、レッドとブルーのスターズをスパークに渡した。すると、スパークはポケットから一枚の白紙を出してその上にスターズを置き何か唱え始めた。そして、唱え終わるとこっちに顔を戻した。
「ああ、……なるほど。ふむふむっス…。」
などといろいろ独り言をいい、何故か勝手に納得していた。
「ああ、やっと全て分かったっス。では、返しますっスね。」
スパークからスターズを返してもらうと、受け取った瞬間に何か入ってくる感覚が全身に感じられた。
「ふぅ。やっと戻れた。」
「やっと終わりましたか。やはり疲れましたね。」
その直後にキラーとブルーが話し出した。
「今までどこに言っていたんだ?」
「まぁ、待て待て。色々質問があると感じられるがちょっと待て。」
俺は、言われたとおりに少しだけ待つといきなりスターズが光り輝きだし、すぐにそれは治まった。
「ああ、繋ー。それはここに並んで置いといてくれっス。」
俺は、スパークが指した床の所にスターズを並べた。
「ではでは軽く整理するっスか。」
訳が分からないまま話しが進み始めた。すると、
「繋。もう質問してきていいぞ。」
いつも頭の中に聞こえていたキラーの声がレッドスターから聞こえはじめた。
「何でスターズからキラーの声が!?」
「スターズを通して声だけ聞こえるようにした。この方が効率いいしな。」
「私もいますよー!」
何か違和感があったが話を続けることにした。
「スパーク、お前は誰なんだ?」
「僕は、キラーとブルーと同じ『マスター』の所の者っス。今回は、繋の『管理人使者』としての見極め、そして人格として繋の中に入りに来たっス。」
「入りに来たってのはブルー達みたいにか?」
「まぁそんな感じっスかね。」
「『管理人使者』とは?」
「そのことですが繋さん。本当にすみません。『管理人使者』について全くもって説明忘れていました。」
「何か馴れてきたよ、もぅ…。」
「まぁまぁブルーそんな小さい事気にするなっスよ。『管理人使者』ってのは任された一定の範囲の管理人の事を指すっス。この場合はこの心帝学校が範囲っス。」
「管理人は何をすればいいんだ?」
「主に学校で起きてる事件の解決や仕事をするっスね。」
「へ~。まぁ、そのへんはなんとなーく分かった。次の質問は琴音ちゃんについてだ。」
「ああ、琴音っちはただの魔力の暴走っス。もうきっと起こらないと思うっスよ。」
「いやいやそれは分かってる。俺が聞きたいのはあの『翼』のことだ。」
「ああ、それはっスね~…。」
「そのことなら俺が話そう。」
スパークが話し出したとたんにキラーが割り込んできた。
「キラー。話に割り込んではいけないでしょうが!」
「いいんだよ。ちょっとくらい。」
少しブルーに注意されたキラーは、何事も無かったように話し出した。
「まぁ、俺が話そうと言ってもまずは本人に聞いた方が手っ取り早いだろ。」
キラーがそう言うとレッドスターが一瞬光った。その時琴音ちゃんの目が一気に開き、起き上がったのだ。見てみるとまた目が白黒になっていた。
「……ホーリー・ステル。……よろしく。」
「ああ、よろしく。」
口調がとても琴音ちゃんに似ていた。
続く




