第9話 「気がつくと2」
瀬奈が飛び出してから昼になっても戻ってこない。俺は瀬奈を探しに出かけた。しばらく、探したが見つからなかった。そして、まさかと思って、俺のマンションに行った。そこには、あかねの写真を手に一人泣いている瀬奈の姿が・・・
「瀬奈・・・」
俺の声にピクリと反応した瀬奈・・・
「瀬名・・・」
俺は、瀬奈の左肩に触れると手で振り払われた・・・・ごめん・・・瀬奈・・・
「行ってよ!!!」
「えっ?」
「あっち行ってよ!!」
立ち尽くす俺に瀬奈はもう一度叫んだ。
「もう・・・近づかないで・・」
「瀬奈!!!」
「もう近づかないでって言ってるでしょう。パパ」
「パ・・パ?」
俺は、お前のパパじゃないんだ。そして、お前の手にしている写真の人も・・・お前のママじゃない。
俺は、一体どうしたらいいんだ。
「パパなんでしょ。!!!全部知ってるんだから。だから、私の面倒を見るようにママに言われたんでしょう?そして、この人が私のママなんでしょう。」
「瀬奈・・・違うんだ・・・」
「何が違うのよ・・・・どうしてキスしたのよ。ひどいよ~!!!」
泣き崩れる瀬奈の言葉が心を引き裂くように通過していった。そして、気がつくと瀬奈を抱きしめていた。そして、硬直している瀬奈耳元で俺はささやいた。
「違うんだ・・・」
「・・・・」
「俺は、お前のパパじゃない・・・」
そう言って俺は、腕の中で泣いている瀬奈にキスをした。
いきなりキスをされた私―――――今・・・裕兄ぃ・・・なんて言ったの?考えることが出来るようになったのは唇が離れて、裕兄ぃの次の言葉を聞いた時だった。
「俺は、お前のパパじゃない・・・」
えっ?うそ――――――もう何がなんだか――――頭の中は、真っ白だった。えっと今言ったことを信じていいの裕兄ぃ?見つめる私に頷く裕兄ぃ・・・・
「ど・・・どういう・・こと?」
裕兄ぃは、私の頬を手で拭いてじっと見つめてくる・・・だから、一体どういうことなの?焦る私を見て
「お前のパパは、俺じゃないんだ。」
「じゃぁ・・・」
「お前は従姉妹のかえでの子供なんだ・・・」
「えっ?」
あのときの写真を思い出した――――じゃぁ・・あの妊婦がママなのママの名前は、かえで?ええっ!!――――――私の全身に衝撃が走った。
「だから・・・俺が責任を取る」
「責任って?」
「瀬奈が16になったら結婚しよう・・・」
裕兄ぃの言葉を聞いた私――――わけも泣く泣きじゃくっていた。そして、気がつくとベットの上、横を見ると裕兄ぃが横に・・・顔をあげると目が合ってしまった。まだ、昨日のことがよくわからない―――――えっと、とにかく私は、裕兄ぃの娘じゃない・・・ってことと結婚できるってことだけがわかったけど・・・じゃぁ?どうなるのこれから?そう思っていると裕兄ぃが声をかけてきた。
「おはよう。瀬奈・・・よく眠れたか?」
ただ黙って頷くと――――えっ?えっ?裕兄ぃの顔が近づいてくる・・・・わっわっ!!!と思っていると額にキスをされた。なんだ・・・額か・・・ちょっとがっが利している私に、裕兄ぃは起き上がり服を着始めた。そして、振り向いて
「そろそろ起きろよ。今日は、行くところがあるから・・・」
えっ?行く所?ってどこ?なにも聞いていないし・・・・それより、昨日のこと・・・どうなっているの?そこへドアの呼び鈴がなった。
「早く服を着ろよ。」
えっ?服って?わ・・わたし・・・・・・えっ?しばらく固まった。
裕兄ぃのマンションで慌てて服を着た。そうこうしているうちにママが入ってきたと思うと真澄さんも入ってきた。
呆然としている私をママはそっと抱きしめてくれた。
「瀬奈・・・ごめん」
私の様子を見て真澄が裕兄ぃに話しかけた。
「で・・・どうすんの?」
「俺が責任を取るよ。」
その言葉にママは、キッと顔をこわばらせ・・・裕兄ぃの方を振り返って、右手を振り下ろした。
パチーン!!!
「このケダモノ!!」
「アニキにはあきれるは、瀬奈はまだ中学生よ、気は確か?」
腕を組んで話しかける真澄さんは、裕兄ぃの頭を指でつついた。
「なにすんだよ。俺は、何もしてないよ。」
その言葉を聞いて、キスしたくせにと裕兄ぃを睨んでしまった私を見て、ママが
「何もしてないわけないでしょ!!瀬奈のこの様子見たらわかるわよ。それに責任を取るって事は、やったんでしょ。」
ちょっと・・・ママ、何てこと言ってるの?私は、ママが言いたいことがようやくわかり、顔が熱くなってきたのを見て、ママは
「やっぱり・・・このケダモノ・・・」
「ママ・・ち・・が・・・」
ママは、私が言葉を言い切る前に再び抱きしめた。そして、私の目を見て
「痛かったでしょう・・・今日からあなたも立派な女ね。」
ママ!!何言っているのと思ったとき、真澄さんが
「アニキ!!児童なんたら違反だぞ!!訴えればね・・で・どうする?瀬奈?」
だから・・・何も・・わ~!!!ただ顔が熱くなる私・・両手で顔を押さえていた・・・その顔を見て真澄さんが
「ふ~ん・・・納得済みか・・・アニキもやるわね。」
「真澄!!勝手なこと言うなよ!!」
「で・・・話したの?」
「何を」
「本当のこと!!」
「少しな?」
ちょっと待って、本当のことって何?私の本当のママは、かえでさんなの?
「ここで言うの?」
「いや・・・」




