第6話 「裕兄ぃはパパなの?」
裕兄ぃのこと大好きだよ。でもこの間は少し調子に乗りすぎちゃった。だって、ママったらあのあと家に帰ったら、もうカンカンで私の話を一言も聞かないし。それに、裕兄ぃのこと好きと言ったらいけないって、そして、あんな行動したら、2度とじぃじの家に連れて行ってくれないって、ひどいと思わない?――――裕兄ぃにメールをしたら・・・ちょっと・・・度が過ぎたね・・だって?本当に、裕兄ぃって私の気持ちわかってんのかな~けど・・・結婚できないし・・・叔父さんと姪は・・・血液型が違うと言われた時は少し逆に喜んだ私。養女だったら裕兄ぃと結婚できたのに~今はそっちの方が残念・・・けど―――――裕兄ぃつらいよ私・・だって恋人といってもこれ以上裕兄ぃに近づけないんだもん・・
「ただいま」
家に帰るとママは、台所にいた。
「おかえり~瀬奈?今、手がはなせないから、ちょっと机片付けて。」
「えっ~!!」
「文句言わないの、ご飯食べたかったら片付けて。」
ちぇっ・・・なんで私が?そう思ってもしかたなく机のところに行くと、そこにはアルバムが・・優奈のか・・・ママは、なぜかアルバムを別々に作りたがる。しかも、ご丁寧にちゃんとプリントしてふ~ん優奈の林間学校の写真か・・・とアルバムを手にした時、最初のページがめくれた。
「えっ?」
私は驚いた。そこには、優奈の赤ちゃん姿がしかも3000gもあるって――――ふ~んと流そとした時―――ん?何かが引っかかった、ちょっと待って優奈って私の7ヶ月後に生まれたはず・・・確か未熟児で?これってどういうこと?私は、次のページをめくった。そこには、おにぃとママの妊婦姿が・・・・妊娠2ヶ月目って書いてある。2ヶ月目でもそんなに大きくないんだ・・けど・・私はここに写ってないのね?
その隣の写真には、3人の女性の姿があった。その中の一人はママ・・もう一人は妊婦さん・・結構おなか大きそう・・・そして、もう一人は妊婦さんとよく似た女性が・・・この人は妊娠してなさそう・・と下にママの字が書いてあった。いとこのあかねさんとかえでさん・・・もうすぐ長女が生まれるそうです。わたしの長女よりひとつお姉さん・・と書いてあった。えっ?ちょっと待って?これって・・優奈のアルバムよね・・・どういう意味?私ママの子供じゃないの?それにあかねさんって裕兄ぃの―――――確か・・婚約者って、ええ?ひょっとして・・・私?うそ?そんな時だった。
「瀬奈!!!早くしなさいよ。何見てるの?」
そういって、ママが私の横に来て、私が見ているアルバムを見てしばらく黙り込んでしまった。振り向くとママは明らかに動揺をしていた。ママはどういうことなの?瀬奈は・・・どこにいるの?
「ママ・・」
「・・・・」
「ママ・・」
「・・・・」
何も答えてくれないママ・・・なんとか言ってよ・・・
「私・・裕兄ぃの子供なの?」
ママの顔は硬直した、いや~!!そう叫んだ。そして、私は何も考えることが出来なくなり、部屋に入った。それからしばらく記憶がない――――というか気付いていたら街中を歩いていた。そこで私の手を誰かが掴んだ。振り向くと見たこともないおじさんがだった。
「お譲ちゃん・・・かわいいねぇ~・・・」
その雰囲気は紛れもなく酔っている・・・き・・・きもい・・・おっさん近づくなって・・・私はその手を振り払おうとしたが、おっさんは手を話すとしない。
「いいじゃないの・・・おじさんと・・・いいことしない?」
まじ!!きもいし~うざい・・ってば・・・
「嫌よ!!」
私はそう叫んでその手を振り払った瞬間、おっさんは豹変した。
「なんじゃ~!!貴様!!大人をなめてんのか!!」
ひぇぇ!!このおっさん・・・ひょっとして・・・や・・やくざ?なの?と思った時
「いい加減にしな!!」
「うるせぇ!!!き・・・さ・・ま・・・・・・・えっ・・・・う・・・わっぁぁぁあ!!」
そう叫んでおっさんは逃げていった。一体どうしたの?ふと顔をあげるとそこには裕兄ぃと怖そうな叔父さんその横には、おまわりさん・・・・って一体どういう組み合わせ?と思っていたら怒りがこみ上げてきた。
「裕兄ぃのバカ!!」
思わずそう叫んで私は、裕兄ぃから逃げて行った。どのくらい走ったのだろう・・・私は、手を掴まれた。そして、振り返ると目の前には、裕兄ぃが立っていた。そこは、人気ない公園だった。私は再び振り返り裕兄ぃから逃げようとした。しかし、裕兄ぃは、私の手を離してくれなかった。
「バカ!!離してよ。離してってば!!」
そう叫ぶ私の手を決して離さない裕兄ぃ――――私は遂にこの言葉を言った。
「裕兄ぃのバカ!!!バカバカバカ!!!」
私は手を振って必死につかまれ手を振りほどいた。
「どうしたんだ―――――瀬奈」
裕兄ぃはじっと私を見つめて黙っていた
「知ったんでしょう。」
「何を?」
「裕兄ぃがパパだってのことを」
「えっ?」
裕兄ぃの驚いた表情、しかもすぐに反論しない―――――やはりそうだったんだ。私は裕兄ぃの娘だったんだ―――そう思ったそして、裕兄ぃに叫んだ。
「最初から知ってたんでしょ。私が娘だってことを!!」
「な・・何を言ってるんだ?瀬奈!!」
「だから!!ずっと近くにいたのね?」
「瀬奈・・・勘違いだって!!」
勘違いだって?何言ってるの裕兄ぃは?この言い方、絶対うそよ・・うそ・・
「勘違いですって?何が勘違いなのよ。じゃぁ何故、私の恋人をするの?私と結婚できないの知ってたくせに。何が好きな人が出来るまで?最初から結婚できないことを知ってそんなことを言ってたのよね。」
「それは・・・」
しばらく言葉を失う裕兄ぃ―――私はただ叫んでいた。
「やっぱり!!私は裕兄ぃの子供なのね!!そうなの!!ええ!?だったら何故最初から自分の子供とはっきり言ってくれなかったの?何故言ってくれなかったの?子供と認めたくなかったの?・・・・最初から最初から・・・言ってくれた方が良かったのに」
「瀬奈・・・・」
「そうなのね・・・何故?本当のことを言ってくれなかったの。裕兄ぃのバカ・・・大嫌い・・・顔も見たくない!!―――――――んんっ?」
そう叫ぶ半狂乱な私の唇を裕兄ぃ唇が塞いだ――――衝撃が襲い一瞬で頭の中が真っ白になった。そして私は目を見開いたまま、直立不動で固まってしまった。




