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第2話  「秘密基地」

しばらくして、俺の携帯がなった。こういう時は決まって真澄からだった。


「兄貴ってロリコンだっだの?」


一発目からこれか―――――だいたいこの手の話が好きな真澄は、逆に興味津々ってところが携帯の向こう側から伝わってきた。


「ちがう!! 決してちがう!!」


「その否定の仕方が怪しい・・・で?もうしたの?」


「何を?」


「何をって、決まってるでしょ?」


「ま・・まさか・・・お前まで疑っているのか?」


「もちろん・・・ロリコンの近親相姦ってとこかな?」


「あのなぁ・・・」


「ええっ!じゃぁ・・・何もしていないの?」


すこしがっかりしたような声をだしてたな・・こいつ・・・本気でそうなればいいと思ってんのか?


「もちろんだよ!」


「残念!!」


「なにが残念だ!!」


「別に、そうなっても問題ないけど・・・私には」


「うるさい!!」


「じゃぁ・・・兄貴もがんばって・・健闘を祈る」


そういい残し真澄の奴は、携帯をきった。絶対面白がっているぞ・・・そんな電話が終って1時間位たったのだろうか?とにかく―――ばつが悪い・・・おれもどうしたらいいか・・・う~ん?バン!!!大きな音と共に俺の部屋の扉が開いた。そこには血相を欠いた香澄の姿あった


「瀬奈が・・・瀬奈がいないの・・どうしよう・・・」


慌てふためく香澄・・・俺の前で泣き崩れた・・・その様子を見て俺は昔のことを思い出した。




―――数年前、瀬奈が4年生くらいのことだったかな~瀬奈は妹の優奈に少し嫉妬していた。


そんな時、たまたま、ある事件がきっかけで瀬奈は、俺にすっかりなついてしまった。仕舞には俺のお嫁さんになるという始末だった。それは―――瀬奈が一人置いてけぼりに去れたことだった。もともと、兄の竜也は、瀬奈より末っ子の優奈を可愛がっていたというか優奈は体が小さかった分、面倒を見ていたみたいなものだったと思うのだがそれが瀬名には許せなかったようだ・・・そんなある日、竜也は瀬奈を公園に一人置いて帰ってきた。帰ってきた竜也と優奈を見た心配になって香澄は竜也に問いただした。


「竜也・・・瀬奈は?」


「公園においてきた・・」


「ええ?・・ちょっとあんた・・」


金切り声をあげる香澄・・・・


「あいつ・・・まだいるってごねるから・・・」


「そうじゃなくて・・・早く迎えに行きなさいよ・・・」


そんなやり取りを俺は後で聞いた。たまたま家に帰る途中の俺がふと公園を見ると瀬奈が悪ガキたちに囲まれていた。


「お前!!どこのやつや!!」


「よそ者がここで遊んでええと思ってんのか」


「どこで遊ぼうと勝手でしょう」


その時だった一人が瀬名のスカートをめくった。


「パンツー丸見え見てみてくさい・・」


そんな罵声を浴びせられ、泣き出した瀬奈・・・俺は思わず


「コラー!!」


そう叫んで公園に入って行った。


「やべえぇ~」


逃げようとする悪ガキの大将を俺は捕まえ、めがねをはずして


「われ!!今度こないなことしたら!!!いてまうど!!」


「わぁ!!!やくざが来た!!!」


そう叫んで・・悪ガキたちは逃げていった。ヒックヒックとすすり泣く瀬奈・・・まだ俺を気付いていない。


「瀬奈・・・」


「ごめんなさい・・」


「俺だよ」


「えっ?」


「俺だよ・・・裕兄ぃだよ・・・」


こすっていた目をぱちくりして俺を見直す瀬奈・・・


「裕兄ぃ?」


「そうだよ・・・」


「わーん・・・」


しばらく俺にしがみついて泣いていた瀬奈・・・・家路についたころには俺の背中にいた。俺は、瀬奈を背中におんぶして、家路についていた。実家では、パニックが起きているとも知らずに・・


「裕兄ぃ・・・おにぃ・・私置いて帰ったんだよ・・」


愚痴をこぼす瀬奈・・・


「そうか・・・ひどいアニキだな?」


「わたし・・・ひょっとして・・・違う家の子なの?」


「瀬奈・・なんて事いうんだ・・・」


「だって・・・いつもおにぃは優奈をかばうし・・・」


「そんなことないってば・・・」


「あるんだもん・・・」


なかなか・・話を聞いてくれない瀬奈・・・


「瀬奈のこといらないのかなぁ?」


「馬鹿なこと言うな!!じぃじも・・・ばぁばも・・・瀬奈を可愛がってくれるだろう?」


「うん・・」


「じゃぁ・・いらない子じゃないだろう・・」


「でも・・・・ママはいつも瀬奈をしかるのよ・・・お姉さんだからしっかりしなさいって」


「それは、瀬奈ちゃんのことがすきだからだよ」


「絶対、ちかう!!」


「瀬奈!!そんなこというとお仕置きしちゃうよ」


「えっ?」


瀬奈は驚いた瞬間!!瀬奈の足をもっていた手が離されカクンっと落ちそうになった。


「きゃーー!!!」


落ちそうになった瞬間瀬奈の体は間一髪・・・落ちなかった・・・


「どう?俺の言うこと聞くか?」


「いや・・きゃーーー!!!聞きます・・聞きます・・・」


瀬奈が嫌といった瞬間俺は同じことを繰り返した・・・


「そうか・・」


「でも・・・」


そう言って落ち込む瀬奈に・・・


「しかたない・・瀬奈・・・内緒の場所を教えてあげる・・・」


「内緒の場所?」


「そうだ・・」


そして俺は瀬奈を連れて、ある場所に向かった・・・家の近所のあるマンションの一室だった。


「ここは?」


「俺の秘密基地だ」


「秘密基地?」


「そうだ・・このことは、誰にも内緒だ・・・」


「うん・・わかった」


無邪気に喜ぶ瀬奈・・・ここは、俺とあかねが住む予定で購入したマンションだった。まだ収入の少ない俺にとってはこのこの中古マンションが購入できるぎりぎりの物件だった。俺は、これを購入したことを後悔している。それは、これを買うことによって、結婚を伸ばしたためだった。そして、あの事故が起きた・・・・そう・・過去を思い出している時・・・瀬奈の一言が俺をドキッとさせた。


「裕兄ぃ・・・ここからの夕日って・・きれい・・・」


瞬間、瀬奈とあかねがダブった・・・


「ゆうやさん・・ここからの夕日って・・きれいね・・・ここに決めましょうよ・・・」


あかね・・・おれが心で呟いた一言・・・しかし、目の前には、小学生の瀬奈の姿があった。


「裕兄ぃ?」


「あ・・瀬奈?ここは・・・俺と瀬奈の二人だけの秘密の場所な・・」


「うん・・」


にこやかに答える瀬奈・・・そして、家に瀬奈を連れて帰った俺がかすみをはじめ、家族から総攻撃を食らったことはいうまでもない・・あの時以来・・・俺は瀬奈にあの部屋の鍵をわたしている。多分そこだろう・・・


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