第1話 「俺はロリコンじゃない!!」
「お兄ちゃん・・!!どういうこと!!」
俺の妹――――香澄のの金切り声が俺の頭に響く・・・・
「裕也・・・お前って奴は・・・見損なったぞ!!」
俺に向かって吼える親父・・・親父の横にはお袋が姪の瀬奈を抱きかかえ頭をなでていた。
「何てことをして!!」
俺は何もしてないのに・・・俺はむくれて横を向いていた。
「だから~俺は何もしていないんだってば~」
俺が今こんなピンチに立たされている理由ってのは、少し前のことだった。就職して実家から離れた俺が久しぶりに実家に帰った時のことだった。
「ただいま・・・」
シーン・・・帰ってきたのはありきたりのないはずの音 ”シーン”だった。おや?留守かな?
しばらくして、廊下の奥の方からお袋の声がしてきた・・・
「おかえり~」
しゃぁないな~俺は、荷物を適当に置き、ダイニングの方へ向かった。
「おかえり・・・元気だったか?」
おるんなら言えよ親父・・・そう思ったが・・・
「ただいま・・・ああ・・・ところで何か飲み物ある?」
とまあ・・・ごく一般にある帰省の風景がそこにあった。
「あ・・・そうそう・・・瀬奈ちゃんが・・お前の部屋にいるよ・・・」
「そう・・・かすみは?」
「あのバカ・・・優奈を連れて買い物に行ってるよ・・・」
俺は、3人兄妹の長男でもう40歳になるええおっさん・・下には2歳づつ離れた二人の妹真澄・香澄はすでに結婚していて子供いた。特によく実家に帰ってくる末っ子の香澄には高校1年の長男竜也・13歳中学2年瀬名と13歳中学1年の優奈がいて、帰ってくる度にこの3人とはよく遊んでやった。特に真ん中の瀬奈は、俺によくなついてくれていた。そんな俺自体こんな年で、帰るたび結婚しろの大合唱。
妹は自分の友達を紹介する始末・・・俺も嫌いで一人でいるわけない・・・別にそんな趣味があるわけでもなかった。たまたま・・・付き合っている女性が・・・ええい・・思い出したくないことを・・そう俺が27の時、結婚を約束するはずだった彼女が突如目の前からいなくなった・・しかも・・事故で・・ただ・・・それだけだ・・そうだ・・運悪く結婚まで至らなかっただけだ~!!!そんな時に生まれたのが今騒動の中心にいる瀬奈だった・・俺にとっては、単なるよくなついてくれる姪っ子・・そうだ・・ただの姪っ子・・・そうただの・・ええ~い!!
「じゃぁ・・・俺も上におるは・・・」
「ああ・・・」
俺は、ダイニングを出て階段を上った。
そう・・・これが俺と瀬名の始まりだった・・・
俺が自分の部屋に着くと・・・怪しげな声がした・・・
「んん・・・」
瀬奈・・・か?この声は?
「ん!!!裕兄ちゃん」
瀬奈の奴ひょっとして・・・俺の部屋で変なDVD見てるんとちゃうか?そう思って俺はそーっと部屋のドアを開けて驚いた・・・そこには、下半身裸で・・・俺のほうに足を向け・・・・・・スポーツブラからかわいく乳首が見えていた・・・切なそうな声を我慢している瀬奈の姿があった。これって・・・オ・・・オナニー?
「えっ?」
俺の姿を見た瀬名は固まった・・・
そして
「きゃーーー!!!」
叫び声をあげた
俺は慌てて瀬奈の横に行き、口を押さえた。瀬奈の悲鳴を聞いた両親が上がってくる・・・まずい・・・このままだと・・・おれが・・・服を必死に服を直す瀬奈に俺は耳元でささやいた。
「瀬奈・・・いいな・・・後は俺が何とかするから・・・話をあわせろよ・・・」
口をふさがれたままの瀬奈はただ頷いた・・・・全裸の下半身は何とかなったが、両親が部屋に入ってきた時はまだ、上半身がはだけた状態だった。
俺達の光景を見て両親は愕然としていた。
胸がはだけて・・・
真っ赤な顔をしている・・・
瀬奈の・・・
口を塞いでいる俺の姿・・・
どう見ても弁解できそうにない・・・
そこへ
「ただいま・・・」
妹の香澄が帰ってきた・・・
地獄の一丁目だな・・・俺はそう覚悟した。
見られちゃった―――――超ずかしいよ・・・大好きな裕兄ぃ(ゆうにぃ)にしかも一人エッチを
だって、悪いのは結衣ちゃんがあんなことを教えるから・・・つい裕兄ぃのことを想って・・・
今日帰ってくるって言ってたけど、もっと遅いって聞いていたのに・・・・どうしよう――――
さっきのこと、悪いこと・・・とは思いながら一人エッチをしてたら、ドアが開いたの、このとき
裕兄ぃの顔を見て一瞬で頭に血が上り、もう何も覚えていなかったの・・・
「きゃー!! んぐぐ・・」
裕兄ぃは私の口を押さえ私の服を直しながら、
「後は俺が何とかするから・・・話をあわせろよ」
そう言ってくれた・・・でも・・・ひょっとして瀬奈のこと嫌いになった?裕兄ぃ?私を一人にしないで・・・
俺は妹と両親の追及を受けていた・・・俺も必死だった。
「あ・・あれは・・・・・俺が入ってきて・・・驚いたんだよ・・そうだよな~瀬名・・・」
みんなの視線を受けた瀬奈は黙って頷いた。
「どういうこと?それで悲鳴を上げるの?じゃぁ服がはだけていたのは?」
香澄は矢継ぎ早に質問をしてきた。
「だから・・・俺が部屋に入った時、瀬奈は上半身がはだけた状態で寝てたんだ。そして、俺に気付いた瀬奈が驚いて叫んだんだって」
「本当なの?」
かすみが瀬名に聞くと黙って頷く瀬奈・・・
「嘘ついてないよね」
瀬奈がオナニーしていたなんて絶対に言えない・・・はず・・・黙って頷く瀬奈
「ああ・・それに・・親父・・俺が上に上がってすぐだろう・・・あの悲鳴・・・」
「それもそうだな・・・」
「瀬奈・・そうなの・・・」
「ごめんなさい・・・」
頷く瀬奈・・・瞳は俺のほうをジーと見つめていた。
「もう・・人騒がせな・・・」
こうして、家族の臨戦態勢は解除になった。ようやく解放された俺・・・部屋でゆっくりしていると
ドアをノックする音が鳴ったと思ったら、いきなりドアが開いた・・・・そこには俺を睨みつける妹
香澄の姿があった。
「お兄ちゃん!!本当に何もなかったの?」
「何もないって!!しつこいな~!!」
妹の目は母親の目をしていた・当然だろう自分の娘なんだから・・・
「いい加減に結婚しなよ・・・」
「それとは話がべつだろう・・・」
「それとも・・・」
そういうと香澄は俺の目を見て・・・はっと気付き・・・俺から目をそらした。そうあかねのことを言おうとしたのだろう・・たぶん・・・そう思っているととんでもないことを抜かした。
「ロリコンなの?」
はぁぁあ―――い!?・・今?何ておっしゃいました?妹殿?お・・俺がロリコンだと・・
「・・・」
なんて言ったらいいのかわからない・・・こういう時、香澄は次々と言葉を吐く
「だいたい・・高校までオタクだったし~あやしいわよ」
「ちょ・・・ちょっとま」
焦る俺を見て、霞の言葉はマシンガンの用に俺を打ち抜いていった。
「やっぱ・・あやしいわよ・・・」
「だ・・だれが・・」
「大体そうじゃない・・・瀬奈とメールしてること自体変よ?」
「へ?」
「私には、ほとんど連絡ないくせに・・・瀬奈には」
あの~妹よ・・・あれはお前が確認してるんじゃなかったのか?
「だいたい・・・姪に絵文字でハートなんて送ること自体・・・」
確かにそれは俺が送った。俺の負けだ・・・けど・・・俺は違う・・・
「前から瀬奈は、お兄ちゃんのこと好きだとか・・恋人とか言ってたけど・・・」
「そ・・それは?」
「それに、今もお兄ちゃんとお風呂に入っているじゃない・・・」
妹殿~・・それは俺とは関係ないだろう・・・・だいたい・・いつも俺が入っているときに後から
瀬奈が入ってくるんだろうが・・・お前も知っているくせに何を言うんだ。
「関係ないだろう・・・」
「入るように仕向けたんじゃないの?もうパパとは2年も入っていないのよ!!!おかしいと思わない?」
「かすみ・・・」
「何よ・・・」
「俺ってそんなに信じられないのか?」
「そうよ!!お兄ちゃん!!もう瀬奈にこれ以上近づかないで!!」
言うだけ言った香澄は、ドアをバタン!!と閉めて部屋を出て行った。