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Twin Fate  作者: Hiz
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Chapter 1 Awakening of Light 6.5

大きな広間の内部。壁は冷たい硬い煉瓦でできており、その中央には、まるで王宮の玉座のような巨大な椅子があった。


この場所が「最期のダンジョン」と呼ばれていようとも、この椅子はあまりにも巨大で豪華すぎる。とはいえ、これは亡き「魔王」の椅子であり、そう考えると、この豪華さは相応しいのかもしれない。


何しろ、魔王は全てのモンスターの主だったのだから。


…そしてその場所、高さ五メートル近くある、生命のない魔王の膝の上に、一人の少年が座っていた。


七歳か八歳くらいの少年で、粗末な布切れのような紫色のローブだけを身に着けている。


「そうですね。では、私はこれで失礼します…ああ、言い忘れましたが、私のことは『Decoy』(デコイ)とでもお呼びください。何しろ、私は数多くいる囮の一つに過ぎませんから…」


「ドールン、『Void Purge』(虚無掃討)」


その言葉を聞いた後、少年はすぐに偽の体との接続を切断した。いや、接続を切断したと言っても、実際にはアイの攻撃を受けてから接続はほとんど途切れかけていた。


まだ言葉を話せるだけのエネルギーが残っていたのは、単なる魔力の残留物だったからだ。


「ひぃ…あと少しでも遅れてたら、あのエグい魔法にやられるところだった」


すぐに接続を切ったとはいえ、少年は背筋が凍る思いだった。


アイが放った『Void Purge』は、そこに残っていたのが少年の魔力の残留物だけだったとしても、もし接続を切るのが間に合わなければ、「次元破断」系の魔法の威力は、少年に少なからぬダメージを与えていたに違いない。


「『ザイ』レベルだけじゃなく、『ドールン』レベルまで使えるのか…」


あの挑発的な言葉は、今のアイの強さを測るためのものだったが、アイが伝説級の『ドールン』レベルまで使えるのなら、どのレベルの魔法でも今のアイは全て使えると考えるべきだろう。


一番弱体化ナーフされるべき人間が、フルパワー(全開)で力を使えるなんて、本当に迷惑な話だ」


少年は仰向けに倒れ、手を空に伸ばし、届かない魔王の顎の先端を指先で叩こうとした。


ユウとアイが魔王の真似をしていると言ったのは正しかった。少年が今座っている、生命のない魔王の体は、偽物デコイを作る際の雛形として使われていたのだ。


魔王の胸部には巨大な穴が開いており、戦いが終わって数週間経った今でも、『Shining Sword』に心臓を貫かれた時の光の痕跡が残っている。


少年はその穴に指を差し入れたが、わずかな熱と痛みに指を引っ込めた。


「フフフ…」


声色は、魔法で変声した偽物とは違うが、笑い方は同じだった。


「勇者なんてのは二の次だ。今の最優先事項は、あの女神のお姉さん。そして、それ以上に重要なのは…」


先ほどまで、少年は二人の兄弟と、まるで重要な目的を全て伝えてしまったかのように多くの会話を交わしたが、真実は…彼の本当の目的、いや、何としてでも手に入れなければならない最重要目的とは、それとは別にある。


「千年魔導士の魔力。これだけは、何としても手に入れなければならない」


魔王の遺志を継ぐために、少年は静まり返った広間で、ただ一人そう呟いた。

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