Chapter 5 Edge of Revival 03
いつの間にか、空は暗くなっていた。リリーとブラッキーは、亀裂に異常がないか、または完全に閉じているかを確認するために移動していった。
私はベンチに座り、彼らを見ていた。隣に座っているユウは、静かに空に現れた星々を見上げていた。
「結局……アイは来なかったな」彼は心の中の疲労を覆い隠すように口を開いた。
「私ももう諦めかけてるよ」
「ハハ、今あいつは何をしてるんだろうな?どれほど重要なことなんだろう?」
「境界線だとか何だとか、ただアイが適当に言ってるだけなんじゃないの?ディコイルがここまで攻めてきたんだから、もう分かるでしょ?」
「俺はそうは思わないな……あいつはいつも理性的に決断する。来なかったということは、これが最善の選択だったってことなんだろう」
「君がもう少しで死ぬところだったのに……死んだのに、ね?」
「まあ、そうだな〜」
そう言うと、ユウと私は同時に笑い出した。短い笑い声だったが、そのおかげで張り詰めた空気は少しだけ和らいだ。
……だけど、私の心は少しも穏やかではなかった。
ユウが本当にここに座っていて、本当にここで呼吸をしている。私が彼を永遠に失いかけた後の、あの恐怖はまだ消えていない。
私の女神の力は、あと何ができるんだろう。どこまで到達できるんだろう。今となっては誰もわからない。
ただ……ユウを助けることができさえすれば、それでよかった。
封印されて弱体化した勇者。
魔王を倒し、元の世界に戻ることを望んだ勇者。
それなのに、彼は自分を顧みず、他の人々を守るために戦い続けている。それこそが、ユウが勇者と呼ばれる所以なのだろう。
そして何よりも……彼は私の友達だ。
「ねえ……ユウ」
「ん?」
ユウは彼らしい、明るく優しい笑顔で振り向いた。
彼の金色のオーラから、温かさが感じられる。
それを見た私は、首を振り、その言葉を飲み込むことにした。
「何でもないよ……」
「どうしたんだ、君は?」
「君は本当に馬鹿だなって思っただけ」
「ハハ、君はなぁ」
夜風に乗って漂う、その温かい笑い声が、私を思わず笑顔にさせた。
……こうして、私が異世界から帰還した双子の兄弟と関わることになった始まりは、まさにこの瞬間だった。この後、何が起こるのか、女神である私にも知る由もない。
それでも、私のそばには、彼がいる。
そして今、ほんのわずかではあるけれど、私は彼がそう呼ばれる理由を理解した。
今はまだ問題は解決していないけれど、何が起ころうとも、女神である私と彼が協力すれば、きっと乗り越えられるはずだ。
なぜなら、彼は……
……異世界からの帰還者――リバースイセカイ
……聖剣の勇者、ユウ




